天敵を主体としたハダニ類の防除体系作業手順書 リンゴ・ナシ編など公開 農研機構2021年7月15日
農研機構を代表機関とする農食事業28022Cコンソーシアムは、果樹の難防除害虫ハダニについて、天敵を主体に土着天敵と天敵製剤の2つの天敵利用技術を適宜に組み合わせて使う実用的な防除体系「<w天(ダブてん)>防除体系」を確立。同防除体系のリンゴとナシ栽培への普及を進めるため、基礎の解説を含めた3編の標準作業手順書(SOP)を作成しウェブサイトで7月14日に公開した。
<w天>防除体系を構成する4つのステップ
果樹の重要害虫であるハダニは増殖が早く化学合成農薬(殺ダニ剤)に対して薬剤が効きにくくなりやすいため、多くの産地では防除効果を補完するための農薬の追加散布が常態化している。新規薬剤が唯一の頼りになるが、開発のスピードがハダニの薬剤抵抗性発達のスピードに間に合わなくなることが懸念されており、これからの持続的な果樹生産に向け「殺ダニ剤だけに依存しない実用的な害虫管理体系への転換」が望まれている。
そこで農研機構は、ハダニの有力な天敵であるカブリダニに着目。"果樹園に自然に生息する土着のカブリダニ"と"製剤化されたカブリダニ"をダブルで使い、それぞれの長所を最大限に活かし、殺ダニ剤への依存を大幅に減らした新しいハダニ防除体系「<w天>防除体系」を確立し、マニュアルなどで技術を紹介してきた。
この<w天>防除体系を現場に導入するための説明書として、リンゴとナシの<w天>防除体系のSOPを基礎・資料編とともに公開。同SOPは、殺ダニ剤での防除が困難な産地では<w天>防除体系をスムーズに導入できる。また、現状では薬剤防除に問題がない産地でも<w天>防除体系のさらなる普及を促し、殺ダニ剤の使用頻度の抑制とその延命を可能にすることで、果樹の生産性の向上と環境負荷軽減の両立させることができる。

重要な記事
最新の記事
-
商系に撤退の動き、集荷競争に変調 米産地JA担当者に聞く(中)【米価高騰 今こそ果たす農協の役割】2025年10月30日 -
再生産可能なコメ政策を 米産地JA担当者の声(下)【米価高騰 今こそ果たす農協の役割】2025年10月30日 -
生産者が将来見通せる政策を 鈴木農相を表敬訪問 山野JA全中会長ら2025年10月30日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】新政権の農政~「朝令暮改」2025年10月30日 -
よく食べた栗の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第362回2025年10月30日 -
鳥インフルエンザウイルスの地理的拡散と進化 2024年シーズンの遺伝子を解析 農研機構2025年10月30日 -
第36回岐阜県農業フェスティバルに出店 ステージやイベントで県産農畜産物をPR JA全農岐阜2025年10月30日 -
全国の産地応援 伊藤園と共同開発「ニッポンエール 大分県産完熟かぼすSODA」発売 JA全農2025年10月30日 -
伊藤園と共同開発「ニッポンエール 長野県産りんご三兄弟」 発売 JA全農2025年10月30日 -
【肉とビールと箸休め ドイツ食農紀行】ドイツで食べ物は高いか?安いか?2025年10月30日 -
最新の無人・自動運転トラクターを実演 クボタアグリロボ実演会 in加美を開催 JAグループ宮城2025年10月30日 -
東北6県の魅力発信「全農東北プロジェクト」とコラボ企画実施 JAタウン2025年10月30日 -
「JAタウン公式アプリ」リリースで開発・導入を支援 メグリ2025年10月30日 -
GREEN×EXPO 2027公式ライセンス商品を相次ぎ発売 横浜と大阪で期間限定店開設 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月30日 -
適用拡大情報 殺菌剤「ダイパワー水和剤」 日本曹達2025年10月30日 -
ローズポークを食べてプレゼントを当てよう 11月にキャンペーンを実施 茨城県銘柄豚振興会2025年10月30日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月30日 -
国産の針葉樹100%使用 高耐久の木製杭「エコクレオ防腐杭」がウッドデザイン賞 コメリ2025年10月30日 -
近いがうまい埼玉産「埼玉県地産地消月間」11月に県産農産物を集中PR2025年10月30日 -
「長崎みかん」初売りイベント 大田市場で開催 JA全農ながさき2025年10月30日


































