サツマイモ基腐病県内で初確認 鳥取県2021年10月12日
鳥取県病害虫防除所は、サツマイモ基腐病の発生を県西部のサツマイモほ場で確認。これを受け、10月7日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
発生株の株元の様子(写真提供:鳥取県病害虫防除所)
9月に鳥取県西部のサツマイモほ場で、生育不良で茎葉部の黄化や地際部の茎が黒変した株が確認。黒変した茎の表面に柄子殻が形成され、柄子殻内に胞子が認められた。同防除所が、当該ほ場から採取したサツマイモの茎と塊根について、農研機構植物防疫部門に診断を依頼した結果、鳥取県では未発生だったサツマイモ基腐病と確認された。
同病は2018年に沖縄県で初めて確認され、その後、鹿児島県、宮崎県、熊本県、福岡県、長崎県、高知県、静岡県、岐阜県、群馬県、茨城県、東京都、千葉県、岩手県、愛媛県、福井県、埼玉県、山形県、石川県および北海道で発生が確認されている。
腐敗した塊根(写真提供:鳥取県病害虫防除所)
◎サツマイモ基腐病の病徴と生態
(1)発病すると茎の地際部が暗黒色から黒色に変色。その後、茎葉の枯死や地下部に形成された塊根のなり首側から腐敗する。なお、収穫時に無病徴でも、収穫後の貯蔵中に腐敗することがある。
(2)発病株の黒変部には多数の柄子殻が形成され、降雨等により内部から大量の胞子が漏出。胞子は、強風雨やほ場の停滞水により畝と畝間に沿って拡散し、周辺の健全な株に感染する。
(3)この菌の宿主植物はヒルガオ科植物のみで、主に罹病したサツマイモ塊根やつるで伝搬する。また、罹病残渣上で越冬し、翌年の伝染源になる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場に病原菌を侵入させないため、苗からの持ち込みを防止する。未消毒の購入苗は、同病に登録のある農薬で苗消毒を行う。採苗する場合、腐敗や傷のない健全な種いもを使用し、採苗当日に苗消毒する。
〇排水が不良な場所で発病しやすいため、ほ場の排水対策を十分に行う。
〇発病株(茎葉や塊根)は速やかに抜き取り、ほ場やその周辺に残さない
ように適切に処分する。
〇発病株の除去後に、周辺株への感染を予防するため薬剤散布する。
〇発生ほ場で使用した農機具や資材は、消毒や洗浄を十分に行う。
〇発生ほ場では残渣を適切に処分し、サツマイモの連作を避け、ヒルガオ科以外の作物で輪作を行う。
〇詳細な防除対策は、農研機構生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業令和2年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」を参照
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(158)-改正食料・農業・農村基本法(44)-2025年9月6日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(75)【防除学習帖】第314回2025年9月6日
-
農薬の正しい使い方(48)【今さら聞けない営農情報】第314回2025年9月6日
-
【注意報】普通期水稲に紋枯病 県内全域で多発のおそれ 長崎県2025年9月5日
-
「適正な価格」の重要性 消費者に訴える 山野全中会長2025年9月5日
-
米価暴落防ぐ対策を 小泉農相に小松JA秋田中央会会長2025年9月5日
-
(451)空白の10年を作らないために-団塊世代完全引退後の「技術継承」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月5日
-
【統計】令和7年産一番茶の荒茶生産量 鹿児島県が初の全国一位 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(組織法人)10a当たり0.7%増 60kg当たり1.6%増 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】大豆生産費(個別)10a当たり0.8%増 60kg当たり10.7%減 農水省調査2025年9月5日
-
【統計】冬キャベツ、冬にんじんの収穫量 前年比2割減 農水省調査2025年9月5日
-
長野県産ナガノパープルのスイーツ「いっちょう」「萬家」全店で提供 JA全農2025年9月5日
-
『畜産酪農サステナビリティアクション2025』発行 JA全農2025年9月5日
-
「国産シャインマスカット」全国のファミリーマートで販売 JA全農2025年9月5日
-
「わたSHIGA輝く国スポ2025」参加の広島県選手団へ清涼飲料水贈呈 JA共済連広島2025年9月5日
-
「いちはら梨」が当たるSNS投稿キャンペーン実施中 千葉県市原市2025年9月5日
-
猛暑対策に高性能遮熱材「Eeeサーモ」無料サンプルも受付 遮熱.com2025年9月5日
-
農機具王とアグリスイッチ 構造再編をチャンスに「週末農業プロジェクト」始動2025年9月5日
-
鳥インフル ハンガリーからの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を解除 農水省2025年9月5日
-
旬の巨峰を贅沢に「セブンプレミアム ワッフルコーン 巨峰ミルク」新発売2025年9月5日