過去10年で最高 ハスモンヨトウなど野菜類のガ類 県内全域で発生 山口県2021年10月15日
山口県病害虫防除所は、野菜類のガ類の発生を県内全域で確認。これを受け、10月14日に病害虫発生予察注意報第3号を発令した。
ハスモンヨトウの卵塊(左)と若齢幼虫(写真提供:山口県病害虫防除所)
10月中旬のキャベツの巡回調査では、ハスモンヨトウの発生ほ場率91.7%(平年43.3%)、寄生株率16.5%(平年2.6%)。コナガの発生ほ場率66.7%(平年15.6%)、10株当たり虫数0.3頭(平年0.1頭)。シロイチモジヨトウの発生ほ場率41.7%(平年5.2%)、寄生株率2.0%(平年0.2%)。いずれも発生ほ場率、寄生株率が過去10年で最も高かった。また、オオタバコガの発生ほ場率は、66.7%(平年23.0%)で過去10年で最も高かった。
ハスモンヨトウは卵塊、若齢幼虫が中心で、防除を徹底して発生密度を低下させる必要がある。今後しばらく、ガ類の活動に好適な時期が続くため、農作物への被害が懸念される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場をよく観察し、発生が認められた場合には直ちに防除を行う。
〇ハスモンヨトウの卵塊や若齢幼虫が集中した葉を見つけた場合は、捕殺するとともに薬剤防除を実施する。
〇防除薬剤は、令和3年農作物病害虫・雑草防除指導基準を参考に選定する。
また、防除上注意すべき事項は次の通り。
〇ハスモンヨトウやコナガは多くの薬剤に抵抗性が発達しており、特に中齢から老齢幼虫は薬剤の効果が低下するので、若齢幼虫期の防除を徹底する。
〇施設栽培では、ハスモンヨトウは葉の裏や鉄骨パイプ等の高い位置に黄褐色の毛で覆われた卵塊を産卵することが多いので注意する。
〇薬剤抵抗性を発達させないため、同一系統薬剤の連用は避ける。
〇農薬を使用する際には使用基準を遵守し、適正な散布作業を実施する。
シロイチモジヨトウの老齢幼虫(写真提供:山口県病害虫防除所)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































