ウメ、アンズ、モモなどにヨコバイ科の一種 多摩地域などで初確認 東京都2021年10月20日
東京都病害虫防除所は、ヨコバイ科の一種でSingaporashinshana(Matsumura)の発生を都区部と多摩地域で初めて確認。これを受け、10月18日に病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
Singapora shinshanaの成虫(写真提供:東京都農林総合研究センター 大林隆司氏)
8月に東京都区部で庭木のウメ、アンズ、モモの葉が白化し、ヨコバイ類が飛翔しているとの情報提供があった。9月に現地と近辺のウメ園地の調査を行ったところ、全ての調査地点で葉の白化症状とヨコバイ類の寄生を確認した。採取した成虫の同定を横浜植物防疫所に依頼した結果、いずれもSingaporashinshana(Matsumura)と判明。その後の追加調査で多摩地域のウメ、モモ、エドヒガンにも本種の寄生及び被害を確認した。
海外では中国、台湾、韓国、北朝鮮で本種の発生が確認されており、国内では沖縄県、和歌山県、徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県、群馬県、滋賀県、香川県、栃木県の11府県で発生が報告されている。
成虫の体長は、3.0~3.5ミリで体色は黄緑色。複眼は黒く、頭頂部に黒点が1つあり、国内での詳細な生態は明らかになっていない。ウメ、アンズ、モモ、スモモ、オウトウ、モッコウバラの他、海外ではナシやリンゴ等のバラ科果樹、サンザシ、ポポー、ポプラに寄生することが報告されている。韓国では7月末から9月末までが本種の増加期であることが明らかになっている。
ウメの葉の白化症状(写真提供:東京都病害虫防除所)
被害としては、成虫と幼虫が吸汁することで、葉の表面が白化。激しく加害されると落葉することがある。被害葉の裏には幼虫の脱皮殻が付着していることが多い。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇10月18日現在、同種に対する登録農薬はない。
〇同種の発生と被害の早期発見に努める。発見した場合は速やかに寄生葉を除去し、深めの穴に埋却するなど適切に処分する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日