農業機械技術クラスター事業に「かんしょ茎葉処理機」など4課題追加 農研機構2021年10月25日
農研機構は、生産現場などからの要請対応やスマート農業の推進のため、農業機械技術クラスター事業の令和3年度の実施課題として、かんしょ茎葉処理機、タカナ収穫機、雑穀コンバインと果樹園自動スピードスプレーヤの開発を開始。地域農業の機械化ニーズへの対応やスマート農業の充実に向けて取り組む。
農研機構は、多様な現場ニーズに即応し、異分野の知見を取り込めるよう、「農業機械技術クラスター事業」を2018年4月から開始。スマート農業などの先端技術研究と農業機械の安全性検査を実施するとともに、関係機関との連携をよりに密にして業務を遂行している。
技術クラスターで扱う共同研究課題は、1.地域農業機械化支援タイプ、2.革新コア技術実用化タイプ、3.次世代革新基盤技術タイプの3つに分類。今回新たに開始する研究課題は、1と2に該当する以下の4件。
(1)かんしょの作付け拡大を支援する高能率収穫体系の開発(研究期間:2021~2023年度、地域農業機械化支援タイプ(園芸))
<目的>
国内の青果用かんしょは需要が拡大しており、茨城県を中心とする青果向けの出荷割合が高い産地では、輸出量の拡大も視野に入れた増産のための作付け拡大が強く進められている。作付け拡大には収穫作業を効率化する機械化が必要となるため、高能率収穫体系を開発する。
(2)漬物用タカナ収穫機の開発(研究期間:2021~2023年度、地域農業機械化支援タイプ(園芸))
<目的>九州地方の名産である漬物用タカナを取り巻く状況として、労働力不足及び原料不足は、生産現場だけでなく、加工業者を含めた重要な課題となっている。特に収穫作業は、いまだに手作業が基本で、延べ40時間/10aを要しており、収穫作業の機械化が強く求められているため、現地の要請に応じた漬物用タカナ収穫機を開発する。
(3)雑穀類対応コンバインの開発(研究期間:2021~2023年度、地域農業機械化支援タイプ(土地利用型))
<目的>
消費者の健康志向により、国産の雑穀や油糧作物等に対する強い需要がある一方で、長稈で子実が微細な雑穀の収穫作業の効率化が図られていない等の要因から、栽培面積が拡大せず、供給の大部分を輸入に頼っている現状がある。このため、稲・麦・大豆の収穫への対応に加え、長稈で子実が微細なために収穫ロスが大きくなる雑穀類の収穫にも対応できるコンバインを開発する。
(4)果樹園のスマート化に資する自動運転スピードスプレーヤ5)の開発(研究期間:2021~2023年度、革新コア技術実用化タイプ(園芸))
<目的>
果樹園では薬液散布作業はスピードスプレーヤ(SS)が主に用いられているが、近年、農業者の高齢化に伴うSSのオペレータ不足により、適期防除が困難になっている。また、SSの転倒や樹枝への挟まれ等による死亡事故が毎年発生しており、至急の対策が必要。さらに、果樹園で、作業履歴データを取得できる機械の活用を望む声もある。このため、平坦地のわい化リンゴ園をターゲットに、果樹園内を自動運転しながら農薬散布作業をすることができ、かつ作業履歴も取得できるSSを開発する。
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