モモにヨコバイ科の一種 県中部、北部地域で発生 大分県2021年12月9日
大分県農林水産研究指導センターは10月8日、モモにヨコバイ科の一種Singaporashinshana(Matsumura)の発生を県内の中部、北部地域で確認。これを受け、12月6日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
モモの葉上の成虫(写真提供:大分県農林水産研究指導センター農業研究部落葉果樹チーム)
10月に県中部地域のモモにおいて、葉が白くカスリ状となる被害が確認され、葉上にはヨコバイ科の成虫の寄生が確認された。持ち帰った成虫を観察したところ、頭頂部に黒点があったため、門司植物防疫所に同定を依頼した結果、ヨコバイ科の一種Singapora shinshana(Matsumura)であることが判明した。また、10~11月にかけて中部地域のスモモおよび北部地域のウメ、モモにも同種が大量に寄生し、葉が白化する被害を確認した。
国内では沖縄県での分布が確認されていたが、2019年に和歌山県で確認されて以降、徳島県、埼玉県、京都府、大阪府、岡山県、群馬県、滋賀県、香川県、栃木県、山口県、東京都、兵庫県、広島県、愛知県の16都府県で発生が確認されている。同種は、国内ではウメ、モモ、スモモ、アンズ、オウトウ等のバラ科果樹を加害することが報告されている。
成虫の体色は黄緑色で頭頂から翅端までの全長は3.0~3.5ミリ。複眼は黒色で、頭頂部に特徴的な黒点がある。展葉期以降に数世代を繰り返し、発生盛期には葉裏に抜け殻が多数付着し、甚発生樹に触れると成虫が乱舞する。落葉後は樹上には認められなくなるが、冬季に園地付近の常緑植物で成虫を確認したという報告がある。幼虫および成虫が葉を吸汁加害し、葉の表面が白化。激しく加害された葉は早期落葉する。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
10月に被害を受けたモモの葉の白化(写真提供:大分県中部振興局)
〇薬剤防除
現在、本種に対して登録農薬はない。
〇耕種的防除
同種の発生および被害の早期発見に努める。被害が確認されたら速やかに寄生葉ごと除去し適切に処分する。
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