【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で発生 大分県2022年6月2日
大分県農林水産研究指導センターは、ピーマンにアザミウマ類(ミカンキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ)が県内全域で発生する恐れがあると予測。これを受け、6月1日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
5月中旬の巡回調査では、発生圃場率、寄生花率ともに平年より高く、前年度より早い時期からの密度の高まりが認められた。発生圃場率は、33.3%(平年:18.3%、前年:0%)、平均寄生花率は、6.0%(平年:2.0%、前年:0%)。
大分県では2~3月上旬にかけて少雨傾向が続き、アザミウマ類の発生量が高く推移していた。3~4月定植の夏秋ピーマンでも、3月中旬以降の高温傾向により、4月に続き5月も平年より発生が多い状況が続いている。また、福岡管区気象台が5月26日に発表した1か月予報では、向こう1か月の天候は平年に比べ曇りや雨の日が多いと予測。気温は平年並~高いと予測されており、引き続き好適条件が続く可能性がある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同虫は高温乾燥条件下で多発しやすく、今後気温の上昇に伴って施設外からの飛び込みが増加すると考えられる。寄生密度が上昇してからでは防除が困難となるため、青色または黄色の粘着トラップを設置して、早期発見に努めて速やかに防除を実施する。
〇施設では開口部を赤色ネット(目合い0.8㎜以下)で被覆し、アザミウマ類の侵入を抑制する。
〇ほ場内および周辺の雑草はアザミウマ類の増殖源となるため、除草を徹底する。ただし、防除前に除草を行うと、施設外からの飛び込みにより被害が拡大する恐れがあるため、施設内のピーマンに対して防除を実施した後に除草を行うよう留意する。また、アザミウマ類は風で移動するため、特にハウスの風上側の除草を心がける。収穫残渣についてもアザミウマ類の増殖源となるため、埋設するなど適切に処分する。
〇すでにアザミウマ類の多発生が認められているほ場に天敵を導入する、もしくは天敵を再度導入する場合は、薬剤によってアザミウマ類の密度を十分に下げてから導入を行う。
〇天敵導入後ただちに薬剤散布を行うと殺菌剤であっても天敵への悪影響が懸念されるため期間を空ける。また防除薬剤には展着剤も含めて天敵への影響が少ないものを選定する。
〇天敵に対する薬剤の影響は、日本生物防除協議会ホームページ内にある「天敵等に対する農薬の影響目安」を参照する。
〇ミカンキイロアザミウマおよびヒラズハナアザミウマはピーマン黄化えそ病(TSWV)を媒介するため、発病株は抜き取り、ほ場外に持ち出して埋設するなど適切に処分する。また、TSWVは汁液伝染する可能性もあるため、発病株の抜き取りなどは作業の最後に行なうとともに手洗いを励行する。
〇アザミウマ類は、ピーマン以外にも花き類、トマト、イチゴなど、多くの園芸作物に被害を及ぼす害虫であることから、作物体を注意深く観察し早期発見・早期防除を心掛ける。
〇アザミウマ類の薬剤抵抗性発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続使用は避け、ローテーション防除を心掛ける。防除に使用する薬剤は、大分県農林水産研究指導センター病害虫対策チームホームページ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」の「ピーマン」の項を参照する。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内
容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守し使用する。
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