実圃場でワインブドウの花を高精度にカウンティング AI開発に成功 静岡大学2022年6月10日
静岡大学の峰野研究室はヤマハ発動機と連携し、屋外の農地で栽培されるワインブドウの多数の小さな花を高精度にカウンティングするAI(人工知能)の研究開発に成功した。
高精細カメラを搭載した小型移動車両を用いたワインブドウの花の撮影
高品質なワインブドウの収量を生育の早い段階で見積もるには、開花の段階でどれだけの花が咲いているのか把握することが重要。また、多く結実させると品質が落ちる可能性があるため、余分な花を取り除く作業も高品質なワインの生産には欠かせない作業となる。
AIを用いた2ステップでの高精度なカウンティング手法
峰野研究室は、ヤマハ発動機と連携し、ワインブドウ圃場で高精細カメラを搭載した小型移動車両を用いて照明をあてて夜間に撮影された動画から、ワインブドウの多数の小さな花を高精度にカウンティングする技術を研究開発した。具体的には、オーバーラップするようなパッチ画像を切り出し、まずは花を含む領域を特定し、次に個々の花を検出するという2ステップで処理。特に、様々な加工を加えてデータ量を増幅し精度を向上させる技術を推論時にも適用することで、夜間に撮影された薄暗い画像やぼやけた画像でも高精度な検出を実現した。
花のカウンティング精度の比較
メルロー、ソーヴィニヨン・ブラン、ジンファンデルと異なるワインブドウ品種でも、既存技術では75%程度だったカウンティング性能を90%まで向上させることに成功した。
この技術は、ワインブドウの花だけでなく、複雑背景下でも多数の小さな部位を高精度にカウンティングする用途に応用が可能。今後、同技術の実用化を目指し、長年の経験と勘に基づいて習得したノウハウの効率的な継承や、AIとの協働による負担軽減、持続可能な地域社会の実現をめざす。
同研究成果は、『Computers and Electronics in Agriculture』誌に掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
米粉で地域振興 「ご当地米粉めん倶楽部」来年2月設立2025年12月15日 -
25年産米の収穫量746万8000t 前年より67万6000t増 農水省2025年12月15日 -
【年末年始の生乳廃棄回避】20日から農水省緊急支援 Jミルク業界挙げ臨戦態勢2025年12月15日 -
高温時代の米つくり 『現代農業』が32年ぶりに巻頭イネつくり特集 基本から再生二期作、多年草化まで2025年12月15日 -
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」開催 近畿地方発の取組を紹介 農水省2025年12月15日 -
食品関連企業の海外展開に関するセミナー 1月に名古屋市で開催 農水省2025年12月15日 -
【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(中)ドローン"功罪"見極め2025年12月15日 -
「虹コン」がクリスマスライブ配信 電話出演や年賀状など特典盛りだくさん JAタウン2025年12月15日 -
「ぬまづ茶 年末年始セール」JAふじ伊豆」で開催中 JAタウン2025年12月15日 -
「JA全農チビリンピック2025」横浜市で開催 アンガールズも登場2025年12月15日 -
【地域を診る】地域の農業・農村は誰が担っているのか 25年農林業センサスの読み方 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年12月15日 -
山梨県の民俗芸能「一之瀬高橋の春駒」東京で1回限りの特別公演 農協観光2025年12月15日 -
迫り来るインド起点の世界食糧危機【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月15日 -
「NARO生育・収量予測ツール」イチゴ対応品種を10品種に拡大 農研機構2025年12月15日 -
プロ農家向け一輪管理機「KSX3シリーズ」を新発売 操作性と安全性を向上した新モデル3機種を展開 井関農機2025年12月15日 -
飛翔昆虫、歩行昆虫の異物混入リスクを包括管理 新ブランド「AiPics」始動 日本農薬2025年12月15日 -
中型コンバインに直進アシスト仕様の新型機 井関農機2025年12月15日 -
大型コンバイン「HJシリーズ」の新型機 軽労化と使いやすさ、生産性を向上 井関農機2025年12月15日 -
女性活躍推進企業として「えるぼし認定 2段階目/2つ星」を取得 マルトモ2025年12月15日 -
農家がAIを「右腕」にするワークショップ 愛知県西尾市で開催 SHIFT AI2025年12月15日


































