【特殊報】ナスにクロテンコナカイガラムシ 県内で初めて発生を確認 岡山県2022年6月16日
岡山県病害虫防除所は5月19日、ナスにクロテンコナカイガラムシの発生を県内で初めて確認。これを受け、6月14日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
ナス果実の被害(写真提供:岡山県病害虫防除所)
5月19日に、岡山県南部の施設ナスほ場で、ナスにコナカイガラムシの寄生が認められた。神戸植物防疫所に同定を依頼したところ、岡山県では未発生のクロテンコナカイガラムシと判明した。
国内ではこれまでに、沖縄県(スイゼンジナ、ヒマワリ)、佐賀県(ナス)、福岡県(ミニトマト、ナス)、愛知県(食用トレニア、食用金魚草)、山口県(トマト)、高知県(ナス)、鹿児島県(ミニトマト)、大阪府(ナス)、奈良県(ホウレンソウ)、長崎県(ナス)、京都府(トマト)、愛媛県(ナス)で発生が確認されている。
雌成虫は翅を欠き、体型は楕円形。体長は通常3~4.2ミリ程度で、大きい個体は5ミリ超える。背面に白色のロウ質物を分泌するため、全体としては白く見えるが、ロウ質物は亜中央部で薄くなるため、2対の黒斑があるように見える。また、雄成虫は1対の翅を持つ。
成虫はワタ状のロウ質物の卵のう内に平均で350個程度産卵する。繁殖様式は、交尾後産卵する有性生殖と雌成虫が交尾せずに産卵する、単為生殖の両方が知られている。同種の単為生殖個体群における1世代の発育期間は、平均70日程度。
生長点付近を中心とした茎葉に寄生し、分泌した甘露からすす病を生じる。広食性で、海外ではワタ、オクラ、トマト、ナス等53科154種の植物に寄生することが確認されており、寄主植物は雑草から作物まで広範囲にわたる。
雌成虫と幼虫(写真提供:岡山県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発生ほ場では、被害を拡大させないために、寄生部位を早期に除去し、ほ場外に持ち出して土中に埋めるなど、適切に処分する。
〇同虫は雑草にも生息するため、ほ場内外の除草対策を徹底する。
〇薬剤による防除については、発生を確認後、早期に散布を行う。なお、コナカイガラムシ類でモスピラン顆粒水溶剤の登録がある。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】タケノコ園でキモンホソバノメイガの被害 府内で初めて確認 京都府2025年10月14日
-
【Jミルク9月牛乳動向】需給緩和で価格下げ傾向2025年10月14日
-
草刈り委託に自治体が補助 「時給1500円」担い手支援2025年10月14日
-
飼料用米作付け 前年比53%減 戦略作物 軒並み減2025年10月14日
-
米価 3週連続低下 4205円2025年10月14日
-
2つの収穫予想 需給を反映できるのはどっち?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年10月14日
-
農業遺産の次世代への継承を考えるシンポジウム開催 農水省2025年10月14日
-
「サステナウィーク」15日から 持続可能な消費のヒントが見つかる2週間 農水省2025年10月14日
-
賑わいを取り戻す地域のランドマークに 隈研吾氏設計の行徳支店新店舗で地鎮祭 JAいちかわ2025年10月14日
-
なめらかな食感と上品な甘み 鳥取県産柿「輝太郎フェア」15日から開催 JA全農2025年10月14日
-
インドで戦う卓球日本代表選手を「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年10月14日
-
松阪牛など「三重の味自慢」約80商品 お得に販売中 JAタウン2025年10月14日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で「マロンゴールド」を収穫 JAタウン2025年10月14日
-
SNS選挙に潜む政治の劣化【森島 賢・正義派の農政論】2025年10月14日
-
【今川直人・農協の核心】集団個性(アイデンテテイ-)としての社会貢献(2)2025年10月14日
-
「令和7年産 新米PR用POPデータ」無料配布を開始 アサヒパック2025年10月14日
-
「Rice or Die」賛同企業の第2弾を公開 お米消費拡大に向けた連携広がる アサヒパック2025年10月14日
-
腸内細菌由来ポリアミンの作用研究 免疫視点から評価「食品免疫産業賞」受賞 協同乳業2025年10月14日
-
米の成分分析計AN-830 新発売 ケツト科学研究所2025年10月14日
-
利用者と作り手が交流 オリジナル商品の「推し菓子」オンライン投票 パルシステム東京2025年10月14日