"農業生育モニタリングシステム"開発 スマート農業で実証実験 キヤノン2022年8月3日
キヤノンは、作物栽培の効率化や品質向上などを実現する農業ソリューションとして、画像から作物の生育指標を自動で取得可能な農業生育モニタリングシステムの実証実験を行っている。
生育指標のデータ化のイメージ
同社は、長年培ってきたイメージング技術を活用し、非破壊・非接触で作物の画像から生育指標を自動で取得可能な農業生育モニタリングシステム"GM-1"を開発。スマート農業での活用を推進するため、水稲栽培における実証実験を行っている。
"GM-1"は、撮影した作物の画像から、生育状況を把握する上で重要な葉色・茎数・草丈など生育指標を自動で計測することができる農業ソリューションシステム。水田にシステムを設置することで、撮影と画像のクラウドへ毎日自動でアップロードされる。
農業生育モニタリングシステム"GM-1"の設置イメージ
作物の特徴にあわせた独自の画像解析技術とディープラーニングによって実現したAI診断技術により、取得した画像から、日々変化する作物の生育状況をデータ化することに成功。従来は手作業で行っていた計測を自動化することで、作業効率を大幅に改善できる。さらに、画像から統計的に生育状況を解析できるため、ばらつきが少なく、安定性・再現性の高い解析が行える。データを継続して蓄積し、過去データと比較でき、作物の適切な栽培管理に加え、新品種開発や気候変動リスクへの備えなどに活用することも期待される。
また、同社はシステムの実用化に向けて、農業ソリューションを提供するベジタリア株式会社との実証実験を実施。ベジタリアのサービスを利用する日本全国の農業試験場や農業関連の団体・企業、自治体や生産者と協力し、国内約60か所の水田で水稲栽培における検証を行い、毎日データ化される生育指標をもとに、栽培条件の違いが作物に与える影響や品種による生育状況の違いなどを検証している。今後は、水稲栽培での実用化を推進するとともに、水稲以外の作物への展開も視野に入れて開発に取り組む。
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