【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2022年8月18日
兵庫県病害虫防除所は、果樹カメムシ類が県内全域で多発するおそれがあるとして、8月12日に病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
果樹カメムシ類「チャバネアオカメムシ」の成虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
一般的に、果樹カメムシ類の発生量には隔年性がある。今年は発生の多い表年に該当し、例年に比べて早い6月中旬以降から越冬世代成虫の活動が盛んとなっている。同防除所では、発生予察防除情報第3号を7月8日に発表し、注意喚起を行ってきたが、その後もフェロモントラップおよび予察灯で、表年の平均を上回る誘殺が認められている。
特に、誘殺数が多い朝来市では、チャバネアオカメムシの7月の合計誘殺数は、フェロモントラップで1547頭(表年の過去4年分※平均334.2頭)、予察灯で432頭(同6年分平均225.2頭)と、表年の平均より極めて多い。加西市でも、チャバネアオカメムシの7月の合計誘殺数は、フェロモントラップで657頭(表年の過去6年分平均369.2頭)、予察灯で25頭(同平均10.1頭)と、表年の平均より多い。
朝来市に設置している予察灯におけるツヤアオカメムシの7月の合計誘殺数は、81頭(表年の過去6年分平均17.7頭)と表年の平均より多い。クサギカメムシの7月の合計誘殺数も156頭(同平均78.0頭)と、表年の平均より多い。
今後、越冬世代成虫に加え、新成虫が発生し、密度が高まる時期となるため、収穫期まで成虫が断続的に飛来し、加害期間が長期化する恐れがある。
大阪管区気象台が8月4日に発表した近畿地方の1か月予報によると、気温は平年より高く、降水量は少なく推移するとされており、果樹カメムシ類の活動に好適な条件が続くと予想される。
写真左:果樹カメムシ類「ツヤアオカメムシ」の成虫、写真右:果樹カメムシ類「クサギカメムシ」の成虫(写真提供:兵庫県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇果樹園への飛来量や飛来時期は、周辺環境の影響を大きく受けるため、地域や園地によって異なる。各園地で見回りを実施し、発生や被害を認めたら速やかに薬剤による防除を行う。山林に近い園地では飛来量が多い傾向にあるため、特に注意する。
〇ナシでは袋をかけていても、袋と果実が接している部分は外部から吸汁を受けやすい。多発時には思いがけず被害果が増えるおそれがあるため、収穫期まで油断せずに注意する。
〇果樹カメムシ類は夜間を中心に活動するため、薬剤散布は夕方に行うと効果が高い。また、移動性が高いため、薬剤散布は広域的に一斉に実施し、地域全体の密度を下げることが望ましい。
〇薬剤散布を行う場合は、病害虫・雑草防除指導指針(兵庫県農薬情報システム)等を参考に薬剤を選定し、農薬使用基準を守る。なお、合成ピレスロイド剤は効果が高く残効も期待できるが、天敵昆虫に対する影響が強く、ハダニ類など他害虫を誘発するおそれがあるため、使用にあたっては他の害虫の発生状況も十分に考慮する。
最新の記事
-
特色ある農畜産物と加工品が勢ぞろい JAグループ国産農畜産物商談会2023年2月2日
-
肥料飼料は3~4割上昇も農産物価格は横ばい 農家負担重く 2022年農業物価指数2023年2月2日
-
【第43回農協人文化賞】営農事業部門 東京・三鷹ファーム社長 岡田源治氏 都市農業を地域と共に2023年2月2日
-
【第43回農協人文化賞】営農事業部門 福岡・筑前あさくら農協前組合長 深町琴一氏 「耕し続ける」信念が力に2023年2月2日
-
「ちいかわ飯店ドリンクスタンド」みのりカフェ福岡パルコ店で期間限定で開催 JA全農2023年2月2日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】外国でなく現場に寄り添う政治・行政を2023年2月2日
-
JA貯金 110兆円超す 農林中央金庫2023年2月2日
-
埼玉の農産物をPR 農商工連携フェア2023年2月2日
-
JAL国際線で米粉麺のメニュー「海鮮あんかけ米粉そば」提供 農水省2023年2月2日
-
茨城県かすみがうら市で鳥インフルエンザ確認 茨城県で今シーズン4例目2023年2月2日
-
農学系学部と女子学生【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第225回2023年2月2日
-
共栄火災とFinatext スマホで加入手続きできるシステムを開発2023年2月2日
-
中国で5か所目 牛乳・ヨーグルトなど生産拠点が天津で稼働開始 明治2023年2月2日
-
植物の精細胞が「一皮むけた」瞬間を撮影 重複受精の仕組みの一端を明らかに 横浜市立大2023年2月2日
-
「冬のうんめもんフェア」「JA北越後こったま~や」5日まで開催 表参道・新潟館ネスパス2023年2月2日
-
栃木県産いちご新品種「とちあいか」ハート形がバレンタインで人気2023年2月2日
-
スマホで見られるIoT気象センサー「ウェザーファーモ」リリース farmo2023年2月2日
-
野田工場見学施設「みるくるわかる工場見学」リニューアルオープン 雪印メグミルク2023年2月2日
-
女性農業者のグループ活動を支援 希望事業者を公募 マイファーム2023年2月2日
-
旬の野菜と定番野菜のサブスクで「季節を味わう 旬のお野菜定期便」開始 ポケットマルシェ2023年2月2日