【特殊報】トマト、ナス、ピーマンに"クロテンコナカイガラムシ"県内で初めて確認 滋賀県2022年10月13日
滋賀県病害虫防除所は、トマト、ナス、ピーマンにクロテンコナカイガラムシ(Phenacoccus solenopsis Tinsley)の被害県内で初めて確認。これを受けて、10月11日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
雌成虫(体長3~4.2ミリ程度)(写真提供:滋賀県病害虫防除所)
8月に近江八幡市内の露地栽培のトマトにおいて、コナカイガラムシ類の寄生が認められた。その後、同ほ場内のナス、ピーマンでも同様の寄生を確認。滋賀県病害虫防除所において同定した結果、同県では未発生のクロテンコナカイガラムシであることが確認された。なお、県内では現在、同ほ場以外で同種の発生は認められていない。
同種は、2009年に沖縄県において国内で初めて発生が確認された後、佐賀県、福岡県、愛知県、山口県、高知県、鹿児島県、大阪府、奈良県、長崎県、京都府、愛媛県、岡山県および兵庫県で発生が確認。滋賀県での発生は15府県目となる。
ナスの葉裏に寄生する成虫と幼虫(写真提供:滋賀県病害虫防除所)
雌成虫には翅が無く、体は楕円形。体長は通常3~4.2ミリ程度で、大きい個体は5ミリを超える。雌成虫は白色でワタ状のロウ質物を背面に分泌するため、全体が白く見えるが、背面の一部にロウ質物が薄い部分があり、2対の黒斑があるように見える。雄成虫は1対の翅をもつ。
同種の繁殖様式は、交尾後の雌が産卵する有性生殖と、雌成虫が交尾せずに産卵する単為生殖の2パターンが存在。雌成虫は、ロウ質物の卵のう内に平均350個程度産卵する。単為生殖の場合、1世代の発育期間は平均70日程度。
ナスの果実に寄生する成虫(写真提供:滋賀県病害虫防除所)
同種は中南米原産だが、北米、アジア、ヨーロッパ、オーストラリアおよび西アフリカなどの世界各地で発生が確認されている。広食性で、53科154種の植物に寄生することが知られており、国内では、トマト、ナス、オクラ、ピーマン、ホウレンソウ、花きなどで発生が確認されている。
植物の葉、葉柄、茎、花芽および果実に寄生し、吸汁により寄主植物を衰弱させる。加えて、分泌した甘露(糖分を多く含んだ排泄物)が果実の汚れや「すす症状」発生の要因となる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発生を確認したほ場では、被害の拡大を防ぐため、寄生部位を早期に除去する。除去した部位は、ほ場外に持ち出し土中に埋めるか、袋に密閉した上で処分するなど、適切に処理する。
〇同種はキク科やスベリヒユ科雑草などにも生息するため、ほ場内および周辺の雑草の除草を徹底する。
〇薬剤による防除を行う場合、発生を確認後、早期に散布を実施する。なお、10月11日現在、ナスおよびピーマンではコナカイガラムシ類に対する登録農薬があるが、トマトでは登録のある農薬はないため、トマトで発生を確認した場合は寄生部位を除去し、適切に処理する。
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