【特殊報】トマトに「クロテンコナカイガラムシ」県内で初めて確認 大分県2022年11月1日
大分県農林水産研究指導センター農業研究部は、トマトにクロテンコナカイガラムシの被害を県中部地域で確認。これを受けて、11月1日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
トマトへの寄生状況(拡大)(写真提供:大分県農林水産研究指導センター農業研究部)
9月下旬に県中部地域の施設栽培トマトに、カイガラムシ類の寄生被害が確認された。同センターで虫体を観察したところ、背面の前方と後方にそれぞれ1対の明瞭な黒斑があった。門司植物防疫所に同定を依頼した結果、大分県では未確認のクロテンコナカイガラムシ(Phenacoccussolenopsis Tinsley)であることが判明した。
国内では、2009年に沖縄県で発生が初めて確認され、その後、佐賀県、福岡県、鹿児島県、長崎県、宮崎県など15府県で発生が確認されている。
雌成虫は翅がなく、体型は楕円形。体長は2~5ミリ程度。背面に白色のロウ物質を分泌するため、全体としては白く見えるが、背面の前方と後方にそれぞれ1対の明瞭な黒斑が見られる。この黒斑は2齢幼虫以降に現れ、1齢幼虫には見られない。
繁殖は、交尾後産卵する有性生殖と雌成虫が交尾しない単為生殖の両方が知られている。卵の多くは雌成虫体内でふ化し、1齢幼虫は歩行により分散する。
雄は、2齢幼虫の終わりに繭を作り、前蛹、蛹を経て羽化し、1対の翅を持つ成虫になる。雌は、2齢、3齢幼虫を経て成虫となり、ワタ状のロウ物質の卵のう内に350 個程度産卵する。1世代(卵~成虫)に要する期間は70 日程度。
寄主範囲は広く、トマト、ナス、オクラ、ピーマン等の茎、葉等に寄生する。この虫の吸汁により、植物体が衰弱するほか、分泌する甘露(糖分を多く含む排泄物)による果実の汚れやすす症状を引き起こす。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇11月1日現在、トマトでは登録のある農薬がないため、同種の発生及び被害の早期発見に努め、発生を確認した場合は速やかに寄生部位を除去し、適切に処分する。
〇同種は、キク科やスベリヒユ科等の雑草にも寄生するため、圃場内および周辺の除草を徹底する。
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