【特殊報】サツマイモ基腐病 県内で初めて確認 愛知県2023年2月13日
愛知県農業総合試験場環境基盤研究部病害虫防除室は、サツマイモにサツマイモ基腐病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、2月10日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
2022年10月、西三河地域のサツマイモほ場で地際部の茎やなり首側の塊根が変色して腐る症状が発生したとの報告があった。愛知県農業総合試験場で塊根と茎の表面に柄子殻の形成を確認し、分離した病原菌の形態観察をしたところ、サツマイモ基腐病が疑われた。このため、農林水産省名古屋植物防疫所に同定依頼した結果、1月に愛知県で未発生のサツマイモ基腐病であることが判明した。
同病は、国内では2018年に沖縄県で初めて発生が確認され、その後、計30都道府県で報告されており、愛知県の近隣では岐阜県、三重県、静岡県、長野県で確認されている。
苗床では、巻葉、葉の赤変や黄変、株元の茎の黒変、株の萎縮および種いもの腐敗等が見られる。本ぽでの発病初期は葉が赤変、黄変し生育不良となる。茎は地際部から暗褐色~黒色に変色する。その後、茎葉の枯死や塊根のなり首側の腐敗が生じ、腐敗は次第に塊根全体に広がる。収穫時に健全に見えた塊根が貯蔵中に腐敗することもある。
本ぽで茎葉が繁茂する時期は株の異常に気付きにくく、収穫時期が近づき、茎葉の生育が衰える頃になって枯れ上がったように見える場合が多い。発病株では、表層に微少な黒点粒状の柄子殻が形成される。柄子殻から漏出した胞子は、風雨やほ場の停滞水によって広がり、周辺株に感染する。
罹病したつるや塊根で伝搬する。また、植物残さ上で越冬し、翌年の伝染源となる。この菌の宿主はヒルガオ科植物(主にサツマイモ)。
同防除室では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同病の未発生ほ場で生産された健全種苗を使用する。
〇未消毒の苗を使用する場合は、適用のある薬剤で消毒する。
〇発病株(茎葉や塊根)は速やかに抜き取り、適切に処分する。その後、周辺株への感染予防のため薬剤を散布するとともに、以降も新たな発病株がないか注意する。また、収穫後の残さはほ場から持ち出し、適切に処分する。
〇発生ほ場では、次作の植付前に土壌消毒を行う。
〇発生ほ場で使用した農機具や資材は、洗浄や消毒を十分に行う。
〇排水不良のほ場で発生しやすいため、排水対策を十分に行う。
〇多発ほ場ではサツマイモの連作を避け、ヒルガオ科植物以外の作物を栽培する。
〇対策等の詳細は、農研機構生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(01020C)のマニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策(令和3年度版)」を参照する。
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