【特殊報】かんしょにタバココナジラミ・バイオタイプQ 道内で初めて確認 北海道2023年3月20日
北海道病害虫防除所は、かんしょにタバココナジラミ・バイオタイプQの発生を道内で初めて確認。これを受けて、3月15日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
成虫(写真提供:北海道病害虫防除所)
2月中旬、道内の施設内で栽培されているかんしょ苗で、白色の小型昆虫が発見された。中央農業試験場で、形態を観察したところ、成虫は体長が約0.8~1ミリ、白い翅を持つ淡黄色の小さな虫で、幼虫は黄色の長楕円形。4齢幼虫(蛹)はやや厚い小判型をしており、タバココナジラミと考えられた。
タバココナジラミのバイオタイプについてPCR-RFLP法を用いて解析したところ、これまで道内で確認されてこなかったバイオタイプQであることが判明。また、採取されたタバココナジラミについて、PCR法によりトマト黄化葉巻ウイルスの保毒を確認したところ、陰性だった。
同種バイオタイプQは、イベリア半島原産で、日本では 2004年に広島県、熊本県および鹿児島県で初めて発生が確認されている。その後、急速に地理的分布を拡大し、2013年9月時点で43都府県での発生が確認されている。
寄生範囲は非常に広く、ナス科(トマト、ナス、ピーマン、シシトウ)、ウリ科(キュウリ、メロン、スイカ)、アブラナ科(キャベツ、ブロッコリー)の他、ヒルガオ科、ユリ科、シソ科、キク科、トウダイグサ科などで確認されている。同種による被害は吸汁による生育不良や品質低下、排泄物にかびが生えるすす症状による汚れがあげられる。
また、トマト黄化葉巻ウイルス、ウリ類退緑黄化ウイルスを媒介するため、ウイルス病の被害も併発する場合が多い。
既存のオンシツコナジラミの成虫は、静止時に翅を葉面に対しほぼ平行にたたみ、左右の翅が重なるため腹部がほとんど見えない。一方、同種は静止時に45度以上の角度で翅をたたむため、オンシツコナジラミに比べて細身でやや小さく見える。また、左右の翅が重ならないため隙間より腹部が見える。
施設内での増殖が速く、短期間で被害が発生する。また、様々な薬剤に抵抗性を有しており薬剤の選択には注意が必要。
成虫拡大(写真提供:北海道病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇野外では越冬できないので、道外から種苗を移入する際に本種の寄生がないことを必ず確認する。
〇かんしょのコナジラミ類に対して、シペルメトリン水和剤、ピリダベン水和剤、ニテンピラム水溶剤、ジノテフラン水溶剤、ピリフルキナゾン水和剤、フルキサメタミド乳剤等の登録がある。
〇バイオタイプQに対して、スピネトラム水和剤、アバメクチン乳剤、レピメクチン乳剤、フルキサメタミド乳剤、ピリダベン水和剤で効果の高い事例が報告されている。ピリプロキシフェン剤、一部のネオニコチノイド剤、合成ピレスロイド剤への感受性が低い系統の存在が報告されており、また、地域や個体群により効果的な薬剤が異なるので薬剤を使用する際には登録内容(対象作物、使用方法等)と防除効果を確認し、効果が低い場合には他の薬剤に切り替える。同一系統の薬剤の連用を避け、異なる系統の薬剤によるローテーション散布を行う。
〇微生物資材ではボーベリア・バシアーナ水和剤、バーティシリウム・レカニ水和剤、ペキロマイセス・フモソロセウス水和剤がタバココナジラミに対して有効との報告がある。
〇 トマトでは低密度時から複数回アセチル化グリセリド乳剤を散布すると防除効果が高いと報告されている。
〇気温が低いうちに施設内での増殖を抑制し、野外に飛び出さないように管理する。
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