【特殊報】キクに「キクわい化病」県内で初めて確認 沖縄県2023年5月17日
沖縄県病害虫防除技術センターは、キクにキクわい化病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、5月12日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
左から、図1:罹病株のわい化症状(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
図2:葉の退緑・モザイク症状(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
図3:葉の黄化・モザイク症状(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
2022年3月、沖縄本島北部の露地栽培キク(スプレーギク)で、葉に退緑、黄化、モザイクおよびわい化症状(図1~3)を確認。7種のウイルスと2種のウイロイドに対するRTPCR検定を行った結果、同ウイロイドに対して特異的バンドが検出された。そこで得られた核酸を琉球大学農学部植物病理学研究室、関根健太郎准教授に遺伝子解析を依頼した結果、キク退緑斑紋ウイロイド(CChMVd)であると確認された。
同ウイロイドは沖縄県では未発生。発生確認後、2022年10月に発生地周辺ほ場と今年3月に沖縄本島の主要栽培地域で発生状況調査を実施したが、発生は認められなかった。
同ウイロイドは2003年に秋田県のキクで発生が確認され、全国では秋田県以外に宮城県、京都府、大阪府、愛知県、広島県、滋賀県、福岡県および島根県で発生が報告されている。
今回の被害株の症状は下葉に退緑、黄化、モザイクの症状が現れ、株のわい化が見られた。同ウイロイドの病徴は新葉の退緑と若い葉の軽い斑紋症状とされており、今回の症状とは異なっている。また、他府県の報告ではえそを伴う明瞭な黄斑を生じたなどの報告があり、病徴は品種や他のウイルスやウイロイドとの重複感染などにより異なるとされている
CChMVdは環状1本鎖RNAウイロイドで病徴発現系統と非病徴発現系統があることが知られている。寄主範囲は非常に狭く、キクとチョウセンノギクのみ。伝染は接触(汁液)伝染のみで、土壌伝染、虫媒伝染はしないとされている。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇健全な穂木や苗を利用する。
〇罹病株を剪定したハサミの刃などに付着した汁液や葉のこすれにより感染するため、摘蕾や採花作業時の接触伝染、刃物を介した伝染を防止する。
〇罹病株は伝染源となるので速やかに抜き取り、ほ場外に持ち出し適切に処分する。
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