【注意報】水稲に葉いもち急増 穂いもち多発のおそれ 秋田県2023年7月27日
秋田県病害虫防除所は、水稲にいもち病(穂いもち)が全県で多発のおそれがあるとして、7月26日に令和5年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
7月4~5半旬に実施した抽出ほ場調査(80地点)における葉いもちの発病株率は3.0%(平年2.4%)、同地点率は12.5%(平年13.6%)といずれも平年並。穂いもちの伝染源となる上位2葉の発病株率は0.7%(平年0.1%)と高く、同地点率は3.8%(平年2.1%)でやや高かった。地域別では県北部での発病が多かった。
予察ほ場(品種:あきたこまち)における発病株率は7月14日から急増。7月21日の発病株率は北秋田市で50.0%(平年34.2%)、秋田市では58.0%(平年1.4%)と高く推移している。
病斑増加状況調査(品種:ナツミノリ)でも7月17日から病斑増加が急激となり(第3世代病斑)、連日増加が認められている。7月23日からは上位葉での発病が増加し始めた(第4世代病斑)。
BLASTAM(アメダスデータを用いた葉いもち発生予測プログラム)において、7月17~20日に連続した感染好適日が全県的に出現しているため、病斑増加は今後も続くことが予想される。病斑密度がさらに高まるとともに、葉いもち初期防除(育苗箱施用剤、側条施用剤、水面施用剤等)の効果は切れていることから、上位葉での発病も急増することが予想される。
7月20日に仙台管区気象台から発表された東北地方1か月予報によると、向こう1か月の降水量はほぼ平年並と予報されている。7月20日発表の作況ニュース第6号によると、稲の生育は平年並からやや早まるとされていることから、穂いもちの発生はやや早くなると予想される。
以上のことから、葉いもち発生ほ場、特に上位葉で発生が多いほ場では穂いもちが多発するおそれがあるため、穂いもち防除を徹底する必要がある。
さらに、7月14日からの大雨によって冠水や浸水したほ場では稲体の抵抗力が低下しているため十分注意する。
表1:穂いもち防除剤一覧
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場によって葉いもちの発病程度は大きく異なるので、水田内に入って葉いもちの発病状況をよく確認する。
〇穂いもちが発病してからの防除では手遅れになるため、次の防除対応を適期に行う(表1)。
①葉いもちの発生が確認されるほ場では、直ちにコラトップ剤(コラトップ1キロ粒剤12、コラトップ豆つぶ、コラトップ粒剤5)、ゴウケツ粒剤/サンブラス粒剤のいずれかを散布するか、出穂直前にトライフロアブル又はビーム剤と穂揃期にトライフロアブル又はラブサイド剤の茎葉散布を行う。
②葉いもちが多発しているほ場では、上記に加え必要に応じて傾穂期にもラブサイド剤による追加防除を行う。
〇今年は出穂期が平年より早まるほ場が多くなると見込まれるため、防除時期を逸しないように注意する。
〇本田での総使用回数は、テブフロキン剤(トライ剤)は2回、フサライド剤(ラブサイド剤、ブラシン剤等)及びトリシクラゾール剤(ビーム剤、ノンブラス剤等)はそれぞれ3回以内となっているので注意する。
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