オリーブの木を害虫から護る薬剤を開発 薬学部教員の研究成果で特許を取得 城西大学2023年8月10日
城西大学は、食害をもたらす虫からオリーブの木を護る薬剤に関する特許を取得した。発明者で、城西大学薬学部の光本篤史教授と山崎研准教授は、オリーブアナアキゾウムシの行動観察装置を開発し、数種類の天然物が忌避作用を示すことを明らかにした。
2022年10月、東金市内の畑でオリーブの収穫に参加した城西大学の学生
同大学のメインキャンパスがある千葉県東金市は、10年ほど前からオリーブを特産品とする取り組みを展開。東金市からもらった苗木は、キャンパス内で100株ほど栽培されている。また、学生が栽培農家で収穫を学生が手伝ったり、東金産オリーブオイルのパッケージを学生がデザインしたりするなど、学部の垣根を越えて同市と協働してきた。
さらに、オリーブの葉で作成したクラウン(冠)を市立小学校のマラソン大会などに寄贈したり、オリーブの健康効果をリーフレットにまとめ市立小中学校の食育用に配布したりするほか、市民向け講座「オリーブに親しむ」を開講するなど、同大学の地域貢献にオリーブがひと役買っている。
オリーブの生育を阻むオリーブアナアキゾウムシ
光本教授らは、こうしたオリーブにまつわる活動を「オリーブ産地化応援プロジェクト」として主宰。その一環として、2020年からオリーブの成分分析等に本格的に取り組む中、オリーブアナアキゾウムシという日本固有の昆虫による食害が日本でのオリーブの生育を阻む大きな要因となっていることを、市の担当職員や生産者から聞いた。
文献調査や実地調査を通して、この問題に対する対応策が不足していると感じた光本教授らは自ら研究を進め、環境にやさしい数種類の天然物にこの虫に対する忌避効果があることを突き止めた。栽培管理にかかる労力を大幅に削減しうる本薬剤の実用化により、東金市および日本でのオリーブ栽培が大きく進展することが期待される。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(147)-改正食料・農業・農村基本法(33)-2025年6月21日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(64)【防除学習帖】第303回2025年6月21日
-
農薬の正しい使い方(37)【今さら聞けない営農情報】第303回2025年6月21日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「地経学時代の到来を憂い、拒否しよう」 きな臭い戦略的思惑2025年6月20日
-
【注意報】サツマイモにシロイチモジヨトウ 県内で多発のおそれ 徳島県2025年6月20日
-
米の買い取り方式 「1つの選択肢」山野全中会長2025年6月20日
-
家の光協会 新会長に伊藤清孝氏(JA岩手県中央会会長) 第82回通常総会、『家の光』創刊100周年記念式典2025年6月20日
-
【JA人事】JAみえきた(三重県)生川秀治組合長を再任(6月20日)2025年6月20日
-
全農 輸出額30年度に3.6倍の823億円めざす2025年6月20日
-
(440)静かに進行する「知の職人」の危機【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月20日
-
石破総理に「鳥取すいか」を贈呈 JA全農とっとり2025年6月20日
-
大田市場にて「鳥取すいか」販売セレモニーを開催しました2025年6月20日
-
「見て、聞いて、体験 協同組合フェスティバル」を7月5日に実施 2025国際協同組合年全国実行委員会2025年6月20日
-
連続シンポジウム・座談会第5回「防災・減災・生活再建と地域づくりへの貢献」 7月14日開催、生協・共済から事例紹介 2025国際協同組合年全国実行委員会2025年6月20日
-
西濃運輸とのモーダルシフトでCO₂削減 第26回物流環境大賞「奨励賞」受賞 日本曹達2025年6月20日
-
適用拡大情報 殺菌剤「日曹フロンサイドSC」 日本曹達2025年6月20日
-
令和6年産銘柄米 5kg実質価格3000円台から販売 Yahoo!ショッピング2025年6月20日
-
秋田県産あきたこまちの発酵玄米麹使用 無添加「玄米塩麹」新登場 鈴木又五郎商店2025年6月20日
-
果樹特化型農薬散布ドローン開発のスタートアップ 投資型クラファン開始 東京ドローンプラス2025年6月20日
-
ペットボトルキャップ回収で寄附金240万円JCVへ贈呈 コープデリ2025年6月20日