【特殊報】スモモに「スモモミハバチ」県内で初めて確認 佐賀県2023年8月10日
佐賀県農業技術防除センターは、露地栽培のスモモに、スモモミハバチの発生を県内で初めて確認。これを受けて、8月10日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。

スモモミハバチ成虫
2022年5月に佐賀県内の露地栽培のスモモに、穴が開いた幼果が認められ、その内部を幼虫が食害する被害が発生した(図1)。

図1・左:被害果上の幼虫脱出孔(円内)、右:正常果
発生圃場において今年3月下旬~4月上旬に白色粘着トラップを設置し、捕獲された成虫(図2)を門司植物防疫所に同定依頼した結果、スモモミハバチであることが判明した。
図2・白色粘着トラップで捕獲された成虫
国内では、2019年に山口県で発生が確認された後、広島県、大分県、福岡県でも発生が確認されている。
図3・老齢幼虫
幼虫の体色は白色から淡黄色、頭部は淡黄色で、老齢幼虫は体長10ミリ程度(図3)。
成虫の体長は5~6ミリ程度、体色は雌雄ともに黒色で、翅は暗色。寄主はスモモのみで、成虫は年に1回、春季に発生する。中国では開花初期に一斉に羽化し、幼果のがくや花托の表皮に産卵することが知られる。
図4・幼虫食入孔(円内)
孵化した幼虫は果実内部に食入し(図4)、仁を食べて内部に糞を蓄積する(図5)。幼虫は食入後、約30日で果実に穴を開けて脱出。土中に潜って土繭を形成して蛹化し(図6)、翌春に羽化する。被害果は、大きくならずに落下するが、一部は枯れて黒くなり翌年の春まで樹上に残るものもある。
図5・果実内部の幼虫と食害
図6・土繭1目盛り:1mm
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇スモモの開花終了後、直ちにスモモミハバチに登録された薬剤で防除を行う。
(6点の写真提供:山口県病害虫防除所)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】果樹などにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 兵庫県2025年12月16日 -
【特殊報】トマト青かび病 県内で初めて確認 栃木県2025年12月16日 -
【プレミアムトーク・人生一路】佐久総合病院名誉院長 夏川周介氏(中)農村医療と経営は両輪(1)2025年12月16日 -
【プレミアムトーク・人生一路】佐久総合病院名誉院長 夏川周介氏(中)農村医療と経営は両輪(2)2025年12月16日 -
全中 新会長推薦者に神農佳人氏2025年12月16日 -
ひこばえと外国産米は主食用供給量に加えられるのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年12月16日 -
米トレサ法で初の勧告措置 「博多天ぷら たかお」が米産地を不適正表示2025年12月16日 -
鳥インフルエンザ 兵庫県で国内7例目を確認2025年12月16日 -
「第3回高校生とつながる!つなげる! ジーニアス農業遺産ふーどコンテスト」受賞アイデア決定 農水省2025年12月16日 -
「NHK歳末たすけあい」へ150万円を寄付 JA全農2025年12月16日 -
米の流通に関する有識者懇話会 第3回「 研究者・情報発信者に聴く」開催 JA全農2025年12月16日 -
【浅野純次・読書の楽しみ】第116回2025年12月16日 -
北海道農業の魅力を伝える特別授業「ホクレン・ハイスクール・キャラバン」開催2025年12月16日 -
全自動野菜移植機「PVZ100」を新発売 スイートコーンとキャベツに対応 井関農機2025年12月16日 -
Eco-LAB公式サイトに新コンテンツ開設 第一弾は「バイオスティミュラントの歴史と各国の動き」 AGRI SMILE2025年12月16日 -
国内草刈り市場向けに新製品 欧州向けはモデルチェンジ 井関農機2025年12月16日 -
農機の生産性向上で新製品や実証実験 「ザルビオ」マップと連携 井関農機とJA全農2025年12月16日 -
農家経営支援システムについて学ぶ JA熊本中央会2025年12月16日 -
7才の交通安全プロジェクト 全国の小学校に横断旗を寄贈 こくみん共済coop2025年12月16日 -
北海道上川町と未来共創パートナーシップ協定を締結 東洋ライス2025年12月16日


































