害虫の発生調査の自動化へ モニタリング装置を開発 農研機構2023年9月6日
農研機構は、IoTカメラとフェロモントラップを組み合わせることで害虫を自動で捕殺・廃棄し、日単位で捕殺した害虫の画像を遠隔地から収集する技術を開発した。これまでの害虫の発生調査では、定期的(5~7日ごと)に調査地に赴き、害虫を計数・廃棄する労力がかかったが、この技術により、省力的かつ日単位での害虫発生データの収集が可能になった。同技術はデータに基づく緻密な害虫管理への応用が期待される。
開発した害虫モニタリング装置の写真(a)と動作の流れ(b)
ほ場等での害虫の発生情報は、害虫の基礎的な生態把握や薬剤散布などの時期を見極めるために必要な基盤的情報。従来の発生調査では、プラスチック製容器や紙の粘着板にフェロモン剤(同種の虫を誘引する化学物質)を利用し、特定の害虫を捕殺し、調査者が目視で捕殺数を確認していたが、既存手法では調査者が直接現地に行き、捕獲した害虫を毎回カウントした後に廃棄する労力が必要だった。
特に蛾類などの飛来性害虫は日単位で移動・分散するため、既存手法では毎日現地に行って確認しない限り、日々の発生を把握することは困難だった。
装置から送られてきた画像の一例
そこで農研機構は、撮影した画像をメールで送信することやクラウド上へ保存可能なIoTカメラを使い、1日ごとに捕殺した個体の画像をメール送信し、その後捕殺した個体を自動で廃棄する機能を有する装置を開発。この装置を導入することで、これまでは約1週間間隔で確認していた害虫の発生状況を、遠隔から日単位で確認できるようになった。
この技術は、広域を飛来する害虫の移動・分散に関する生態解明や、外来種のモニタリング、適期適所での効率的な薬剤散布など、より先進的かつ省力的な害虫の防除対策の定に寄与し、害虫調査の省力化や飛来性害虫の蔓延防止につながる。
重要な記事
最新の記事
-
米粉で地域振興 「ご当地米粉めん倶楽部」来年2月設立2025年12月15日 -
25年産米の収穫量746万8000t 前年より67万6000t増 農水省2025年12月15日 -
【年末年始の生乳廃棄回避】20日から農水省緊急支援 Jミルク業界挙げ臨戦態勢2025年12月15日 -
高温時代の米つくり 『現代農業』が32年ぶりに巻頭イネつくり特集 基本から再生二期作、多年草化まで2025年12月15日 -
「食品関連企業の海外展開に関するセミナー」開催 近畿地方発の取組を紹介 農水省2025年12月15日 -
食品関連企業の海外展開に関するセミナー 1月に名古屋市で開催 農水省2025年12月15日 -
【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(中)ドローン"功罪"見極め2025年12月15日 -
「虹コン」がクリスマスライブ配信 電話出演や年賀状など特典盛りだくさん JAタウン2025年12月15日 -
「ぬまづ茶 年末年始セール」JAふじ伊豆」で開催中 JAタウン2025年12月15日 -
「JA全農チビリンピック2025」横浜市で開催 アンガールズも登場2025年12月15日 -
【地域を診る】地域の農業・農村は誰が担っているのか 25年農林業センサスの読み方 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年12月15日 -
山梨県の民俗芸能「一之瀬高橋の春駒」東京で1回限りの特別公演 農協観光2025年12月15日 -
迫り来るインド起点の世界食糧危機【森島 賢・正義派の農政論】2025年12月15日 -
「NARO生育・収量予測ツール」イチゴ対応品種を10品種に拡大 農研機構2025年12月15日 -
プロ農家向け一輪管理機「KSX3シリーズ」を新発売 操作性と安全性を向上した新モデル3機種を展開 井関農機2025年12月15日 -
飛翔昆虫、歩行昆虫の異物混入リスクを包括管理 新ブランド「AiPics」始動 日本農薬2025年12月15日 -
中型コンバインに直進アシスト仕様の新型機 井関農機2025年12月15日 -
大型コンバイン「HJシリーズ」の新型機 軽労化と使いやすさ、生産性を向上 井関農機2025年12月15日 -
女性活躍推進企業として「えるぼし認定 2段階目/2つ星」を取得 マルトモ2025年12月15日 -
農家がAIを「右腕」にするワークショップ 愛知県西尾市で開催 SHIFT AI2025年12月15日


































