【特殊報】もも、うめ、すももに「モモヒメヨコバイ」県内で初めて確認 長野県2023年12月29日
長野県病害虫防除所は、もも、うめ、すももにモモヒメヨコバイの発生を県内で初めて確認。これを受けて、12月27日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
長野県病害虫防除所によると、9月に長野県南信地域のもも・うめ生産園地で、葉にこれまでみられなかった吸汁痕が多数みられ(図1・図2)、葉裏には多数のヨコバイ類が寄生していた(図
3)。
葉の吸汁痕(白い斑点部分)(左)、図2:葉の吸汁痕(白い斑点部分)(写真提供:長野県病害虫防除所)
もも、うめに寄生しているヨコバイ類の成虫を採取し確認したところ、長野県内では未確認のモモヒメヨコバイであることが疑われた。これらヨコバイ類の同定を農林水産省名古屋植物防疫所に依頼した結果、モモヒメヨコバイであることが明らかとなった。
モモヒメヨコバイについては、沖縄県での分布が確認されていたが、2019年に和歌山県のウメで確認されて以降、徳島県、埼玉県、京都府、群馬県、愛知県、静岡県など近隣県を含む25都府県で発生が確認されている。
成虫および幼虫が葉面に寄生し、吸汁加害する。吸汁された部分は脱色するため、葉全体が吸汁されることで白化する(図1・図2)。被害が著しいと早期落葉することがあり、樹勢や収量への影響が懸念される。被害樹の葉裏には、幼虫の脱皮痕が付着していることが多い(図3)。
図3:葉裏に寄生している幼虫及び脱皮殻(白色)(写真提供:長野県病害虫防除所)
なお、国内における発生事例によると、同種は成虫で越冬する可能性があるとされているが、長野県内での越冬の状況は不明。国内では、もも、すもも、うめ、あんず、おうとう等のバラ科果樹を加害することが報告されている。海外では、なし、りんご等でも被害報告がある。
成虫の体長は3~3.5ミリで、成虫の体色は黄緑色、複眼は黒く、頭頂部中央部に特徴的な黒点(図4)がある。若齢幼虫の体色は薄い黄色で、終齢幼虫になるにつれて成虫と同じ黄緑色になる。
図4:成虫(矢印:頭頂部の黒点(写真提供:長野県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇うめなどの小粒核果類では、モモヒメヨコバイに対して農薬登録されている薬剤を使用する。なお、ももに対しては、同種に登録されている農薬はない。
〇農薬を使用する際は、必ず農薬ラベルの記載事項を確認し使用する。
〇同種の発生及び被害の早期発見に努め、被害葉が認められた場合は速やかに寄生葉を除去し、ほ場外へ持ち出し埋却するなど耕種的防除も併せて行う。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日