【特殊報】トルコギキョウ斑点病 県内で初めて確認 岩手県2024年1月31日
岩手県病害虫防除所は、トルコギキョウ斑点病の発生を県内で初めて確認。これを受けて、1月24日に令和5年度病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
写真:葉の表裏に発生した円形の灰褐色斑点(左)、
すすかび状に生じた子座、分生子柄及び分生子(提供:岩手県病害虫防除所)
岩手県病害虫防除所によると2023年11月、盛岡市のトルコギキョウ栽培圃場において、葉の表裏に円形の灰褐色斑点(写真)が確認され、斑点上にはすすかび状に子座、分生子柄及び分生子が形成されていた。特に発生のひどい株では草勢の低下が見られた。当該圃場から採取したトルコギキョウ株について、横浜植物防疫所に同定を依頼した結果、岩手県では未発生のトルコギキョウ斑点病であると同定された。
同病は2008年に福岡県で確認されて以降、これまでに25県で確認され、全国に拡大している。東北地方では2018年に福島県と宮城県、2020年に山形県、2022年に青森県で特殊報が発表されている。
トルコギキョウ斑点病の病原菌は糸状菌の一種で、現在確認されている宿主作物はトルコギキョウのみ。発生初期は下位葉に5~10ミリ程度の退緑斑紋が現れる。この退緑斑紋上に小黒点(分生子座)が多数形成され、黒灰色~黒色のすす状病斑となる。病斑は下位葉を中心に葉の表と裏に現れ、まん延すると上位葉へ進展し、やがて葉が枯死する。
分生子柄は角皮下に発達した子座上に束生する。分生子は大きさが12.8~45.6×2.9~5.8μm、0~6の隔壁を有し、無色~淡オリーブ色、基部は裁断状で肥厚していない。分生子は小葉牙上にやや突出した形となる。
特に春から秋の多湿条件下で多発。夏季の高温期は目立たない退緑病斑が多く、分生子は形成されにくいが、気温の低下とともに退緑斑上に分生子が形成される。生態や生活環についての詳細は知見が少ないが、育苗中及び本圃で発生し、分生子が感染源になると考えられている。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇多湿条件下で発生が助長されるため、施設内の通風・換気に努める。
〇被害葉は見つけ次第速やかに除去し、収穫後の残さは圃場外に持ち出して、適切に処分する。
〇病斑が上位葉まで進展すると商品としての品質が落ち、経済的損失が大きくなる。発生初期は目立たない退緑病斑が多いため、圃場の発生状況に注意して早期発見に努め、発生初期から防除を徹底する。
〇薬剤防除に当たっては、「トルコギキョウ斑点病」に適用のある薬剤(表)を使用する。耐性菌発生を防ぐため、同一系統薬剤(FRACコードが同じ剤)の連用を避ける。なお、薬剤散布にあたっては最新の情報を確認し、使用基準を遵守する。

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