炭疽病菌の植物感染に関与する酵素の二量体化プロセスを発見 摂南大学2024年4月9日
フランス国立農業・食糧・環境研究所(INRAE)のJean-Guy Berrin博士、Ketty C.Tamburrini博士と摂南大学農学部農業生産学科の久保康之教授と小玉紗代助教らの研究グループは、ウリ科植物に感染し壊死病斑を引き起こす炭疽病菌の分泌する溶解性多糖モノオキシゲナーゼ(LPMO)で同種の分子が2個結合する「二量体化」が起き、セルロース分解活性を増加させていることを発見した。この二量体化プロセスは、他の菌類でも同様のメカニズムを保有していると考えられ、地球上に大量に存在するバイオマスであるセルロースをより効果的に分解できる新しい酵素カクテルの開発に貢献することが期待される。
ウリ類炭疽病菌の感染葉および付着器から分泌されるLPMO二量体
植物病原性のカビの仲間である炭疽病菌は宿主植物に侵入する際、付着器と呼ばれる特殊な細胞を植物表面に形成し、細胞壁に針のような菌糸を突き刺すことで植物の内部へ侵入しようとする。その時、葉の表面に存在する複雑なポリマーであるセルロースを分解できるLPMOを含む酵素のカクテルを分泌する。
今回、LPMOの一種であるAA9A酵素が二量体化するプロセスを明らかにした(図)。二量体化には確かな三次元構造を持たない「無秩序な」C末端領域が重要で、二量体化によりAA9A酵素はセルロースに対する基質結合と活性が増加することも分かった。
さらに、炭疽病菌は感染時に二量体AA9Aを分泌し、付着器を介した侵入を促進させていることが判明。この無秩序な領域はさまざまなLPMOに広範囲に存在している一方、これまでは単なる付属物と考えられており、その機能は不明だった。今回の成果を基盤として、セルロース系バイオマスをより効果的に分解できる新しい酵素カクテルの開発につながる可能性が期待される。
同研究成果は3月21日、国際学術誌『Proc Natl Acad Sci USA』に掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】果樹全般にチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で発生と加害を初めて確認 広島県2025年10月24日 -
東京と大阪で「業務用米セミナー&交流会」 グレイン・エス・ピー2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(1)2025年10月24日 -
どうなる日本の為替・金利の行方? 合理的価格形成のあり方は? アグリビジネス投資育成がセミナー(2)2025年10月24日 -
【人事異動】農水省(10月21日付)2025年10月24日 -
生産者の米穀在庫量257kg 前年同月比17.4%減 農水省2025年10月24日 -
(458)農業AIは誰の記憶を使用しているか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月24日 -
甘みたっぷりブランド温州みかん 福岡県産「北原早生フェア」25日から開催 JA全農2025年10月24日 -
11月23日は『ねぎ』らいの日「小ねぎフェア」27日から開催 JA全農2025年10月24日 -
関西電力発行のトランジション・ボンドに投資 温室効果ガス削減を支援 JA共済連2025年10月24日 -
滋賀県産近江米「みずかがみ」など約50商品を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年10月24日 -
寒さの中に咲く、あたたかな彩り「埼玉県加須市産シクラメン」販売開始 JAタウン2025年10月24日 -
JAタウン「あつめて、兵庫。」×「お肉の宅配 肉市場」コラボ特別セット販売2025年10月24日 -
【農と杜の独り言】第5回 水田のある博覧会 食料安保考える機会に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年10月24日 -
ありあけ「横濱ハーバーダブルマロン」で「ミャクミャク」「トゥンクトゥンク」 のコラボ商品発売 国際園芸博覧会協会2025年10月24日 -
鳥インフル スウェーデンからの生きた家きん、家きん肉等 輸入一時停止 農水省2025年10月24日 -
全国約270店舗が参加「やっぱりおいしい!!宮城米プレゼントスタンプラリー」開催中2025年10月24日 -
東大発 農業AIスタートアップが「農地集約サービス」提供開始 ソラグリ2025年10月24日 -
鳥インフル 米アイダホ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月24日 -
生菌入り混合飼料「ビオスリー EX」発売 東亜薬品工業2025年10月24日


































