富士工業と実証実験 資源循環と環境負荷低減効果を可視化できる数理モデル開発 アクポニ2024年4月17日
循環型ビジネスを提案する株式会社アクポニ(神奈川県横浜市)は、富士工業株式会社と協力し、2023年10月〜2024年3月の期間、循環型栽培システム「アクアポニックス」における気流制御による生産性への影響評価および資源循環の可視化を目的とした実証実験を実施。廃棄される窒素を99%再利用し、気流制御でエアコンの電力使用量を76%削減できることが判明した。
実証実験の様子
アクポニは、有機野菜の大規模周年栽培が可能な循環型施設園芸「アクアポニックス」を産業として定着させることを目指している。同プロジェクトでは、同社の持つアクアポニックスの技術と、富士工業の気流制御の技術を掛け合わせることで生産性を高めると同時によりよい資源循環を実現し、環境負荷とエネルギーコストを下げるシステムの実現を目指し実証を行った。
その結果、空気制御なしの場合と比較し、気流制御を行った場合、リーフレタス1株平均の収量が22%増加。エアコンの電力使用量を76%削減し、エネルギーコストの大幅削減につながる結果となった。
アクアポニックスは水産養殖と水耕栽培を組み合わせることで効率的な資源循環を行っており、魚のエサ由来の窒素を野菜の肥料として使用。陸上養殖だけを行った場合、エサに含まれる窒素のうち88%は定期的な飼育水の入れ替えで廃棄される。アクアポニックスではその廃棄される窒素を野菜の肥料として約99%有効活用できることが分かった。さらに、使用する水の量は陸上養殖と比較し約3分の1になるため、水資源を約66%削減できる。
化学肥料の工業製造プロセスは、水素と窒素を高温高圧化で触媒反応させるハーバー・ボッシュ法という方法が主流で、そのエネルギー源でも化石燃料が燃やされるため、多くの二酸化炭素を排出する。アクアポニックスでは化学肥料を使わないため、生産過程に発生する二酸化炭素を約99%削減可能。これは日本の野菜の耕作面積112万ヘクタールのうち20%をアクアポニックスとした場合、年間約25万トンの肥料生産にかかる二酸化炭素を削減できる計算。農業の脱炭素化に大きく貢献することが見込める。
同実証実験は、神奈川県が主催するベンチャー企業と大企業等によるオープンイノベーション促進のためのプログラム「BAK2023」で採択されたプロジェクトの実証結果となる。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 群馬県2025年8月27日
-
【注意報】ミナミアオカメムシ 県内全域で被害多発のおそれ 滋賀県2025年8月27日
-
自民党 農業構造転換推進委員会を新設 委員長に江藤前農相2025年8月27日
-
茨城の農協・生協ら 原発再稼働反対で集会 「東海第2の事故で住民避難はできない」2025年8月27日
-
松本空港事件と与那国問題は自分事【小松泰信・地方の眼力】2025年8月27日
-
農山漁村の価値創出に貢献する企業の取組 証明制度の検討開始 農水省2025年8月27日
-
国産農畜産物で料理作りに挑戦「全農みんなの子ども料理教室」開催 JA全農2025年8月27日
-
舞夢フォーラム開催 JA熊本中央会2025年8月27日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第112回2025年8月27日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」山梨県「たべるJAんやまなし」でBBQ食材を購入 JAタウン2025年8月27日
-
サカタのタネ 代表取締役社長に加々美勉氏が就任2025年8月27日
-
「令和7年8月20日からの大雨」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年8月27日
-
国内肥料資源活用の取り組み紹介 近畿のマッチングフォーラムに出展 朝日アグリア2025年8月27日
-
数量限定「キウイブラザーズ フィギュア付きパック」販売開始 ゼスプリ2025年8月27日
-
秋田県男鹿市と包括連携協定を締結 タイミー2025年8月27日
-
豊かな泡立ちとスキムミルクの保湿成分「こんせんくんの石けん」注文受付 パルシステム2025年8月27日
-
被爆・戦後80年 利用者や役職員93人が広島と長崎を訪問 パルシステム2025年8月27日
-
地域のライフラインとして頼れる存在に 新CM「北と南の少女」公開 コメリ2025年8月27日
-
次の100年に向けた定番商品「6Pチーズ 雪印北海道バター 入り」新発売2025年8月27日
-
公式インスタ開設3周年記念「カレー詰め合わせ」プレゼントキャンペーン実施 パルシステム2025年8月27日