【注意報】サトウキビに黒穂病 熊毛、奄美地域で発生 鹿児島県2024年5月24日
鹿児島県病害虫防除所は、サトウキビに黒穂病(Ustilago scitaminea Sydow)の発生を熊毛、奄美地域で確認し、5月21日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
図1:サトウキビ黒穂病の症状(写真提供:鹿児島県病害虫防除所)
鹿児島県病害虫防除所によると、奄美地域ではサトウキビ黒穂病が株出栽培を中心に一部の地域で発生している。5月12日に沖永良部島(知名町)で黒穂病の発生が確認。同月14~17日に発生確認地区周辺の調査を行ったところ、発生ほ場率は3.5%(発生面積:26.5ha)だった。
また、和泊町でも同病の発生が確認された。5月9~17日に実施した熊毛・大島地域(沖永良部島を除く)の調査ほ場における発生ほ場率は、奄美大島0.7%、喜界島22.0%および徳之島1.5%。このうち喜界町では、多発生ほ場(発病株率4.0~6.0%)が確認された。
り病茎は健全茎よりも茎が細く、節間が伸びて徒長し先端部は長い鞭状物(いわゆる黒穂)を抽出する(図1)。病原菌は糸状菌(カビ)で、胞子(図2)が風や雨水で分散し地上芽や地下芽に感染する。株出回数が多くなるほど感染リスクは高まり、り病株から採苗すると植付後に発病し、周辺ほ場へも広がる。
今後、同病の蔓延を防ぐには、今の時期の防除対策が重要。また、未発生地域では苗による病原菌の持込を防ぐため、来歴を確認して使用する。
図2:サトウキビ黒穂病菌の胞子(左)、
図3:黒穂病発病株の持ち出し方法(写真提供:鹿児島県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株は鞭状物(図1)の出現前に、ほ場外に持ち出し適正に処分する。
〇鞭状物が出現した茎は、胞子の飛散を防ぐためにビニール袋をかぶせて抜き取り(図3)、適正に処分する。
〇多発ほ場や放棄ほ場は早急に更新する。
〇抵抗性品種を植え付けるようにする。
〇発病ほ場や隣接ほ場から採苗しない。また,来歴の明らかな苗を使用する。
〇植付け時に苗消毒を行う。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日