【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県内全地域で多発のおそれ 埼玉県2024年7月12日
埼玉県病害虫防除所は、イネに斑点米カメムシ類(イネカメムシ、ホソハリカメムシ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月8日に令和6年度病害虫発生予察注意報第5号を発令した。
埼玉県病害虫防除所によると、県東部の水稲用乾式予察灯において、イネカメムシを6月24日に初誘殺した後、7月3日までに122頭誘殺されており、多発した昨年の誘殺数(初誘殺7月1日、9月までの総誘殺数114頭)をすでに超えている。
県東部および東北部の早期栽培「あきたこまち」で、出穂後のイネカムシの集中的な加害が各地で報告されているほか、未出穂田のタイヌビエ、畦畔のセイバンモロコシ等のイネ科雑草および幼穂形成期のコシヒカリへのイネカメムシの大量寄生が確認されている。
今年は春先に例年は見ないホソハリカメムシのムギ類への寄生が県東北部を中心に確認されており、現在でも県内各地で畦畔雑草等のすくい取り調査でホソハリカメムシの捕獲数が平年より多い。

イネカメムシ成虫(体長約12mm)㊧、イネカメムシによる斑点米(提供:埼玉県病害虫防除所)

開花期の「あきたこまち」を集中的に加害するイネカメムシ(提供:JAほくさい)㊧と未出穂田のタイヌビエに寄生するイネカメムシ(提供:埼玉県病害虫防除所)
気象庁が7月4日に発表した季節予報によると、関東甲信地方の向こう1か月の気温は高く、降水量は平年並か多いと予想。今後も斑点米カメムシ類の発生に好適な条件が継続し、多発生が予測される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇イネカメムシ、ホソハリカメムシなど比較的大型のカメムシ類は、寄生頭数が少ない場合でも大きな被害につながる可能性があるため、これらの大型種を本田で確認した場合は、必ず薬剤による防除を実施する。
〇出穂期~開花期頃にイネカメムシの集中加害を受けると著しい不稔が発生することがあるため、イネカメムシの多発ほ場では、出穂期~穂揃期(不稔対策)及び出穂期の7~10日後(斑点米対策)の2回、薬剤による防除を実施する。
〇生息場所の水田畦畔や休耕田等の雑草管理(除草)を丁寧に行う。ただし、斑点米カメムシ類を水田へ追い込み被害が拡大する恐れがあるため、出穂前2週間と出穂後2週間は除草を行わない。
〇周辺より出穂の早い品種・作型、あるいは周辺より出穂の遅い品種・作型では、被害が集中しやすいため防除を徹底する。
〇農薬による蜜蜂への影響を軽減させるために、蜜蜂の活動が最も盛んな時間帯(午前8時~12時まで)を避け、可能な限り早朝又は夕刻に行うなどの対策を講じる。

ホソハリカメムシ成虫(体長約10mm)㊧、メヒシバの穂を吸汁するホソハリカメムシ(提供:埼玉県病害虫防除所)
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