【注意報】大型斑点米カメムシ類、カスミカメムシ類による斑点米発生に注意 千葉県2024年7月17日
千葉県農林総合研究センターは、水稲に大型斑点米カメムシ類(クモヘリカメムシ、イネカメムシ等)とカスミカメムシ類(アカヒゲホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメ等)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月10日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
写真1:大型斑点米カメムシ類クモヘリカメムシ成虫(左)とイネカメムシ成虫(提供:千葉県農林総合研究センター)
千葉県農林総合研究センターによると、6月下旬から7月上旬に行った県内70地点の水田周辺の雑草地すくい取り調査において、大型斑点米カメムシ類の平均捕獲虫数は8.21頭(1地点当たり20回振りすくい取り(以下同じ);平年1.83頭)と過去10年と比較して最も多かった。また、地域別に見ると、全ての地域で平年より多く捕獲された。
同調査において、カスミカメムシ類の平均捕獲虫数は72.0頭(平年24.1頭)と過去10年と比較して最も多かった。また、地域別に見ると、千葉及び夷隅以外の地域では、平年より多く捕獲された。
気象庁が7月4日に発表した関東甲信地方の1か月予報によると、向こう1か月間の気温は高いと予報されており、斑点米カメムシ類の増殖や水田侵入後の加害活動の活発化に注意する必要がある。「コシヒカリ」や「粒すけ」等の晩生品種は、これから出穂期を迎えるため、後述の防除対策を参考に適期に防除する。
写真2:カスミカメムシ類 アカヒゲホソミドリカスミカメ成虫(左)とアカスジカスミカメ成虫(提供:千葉県農林総合研究センター)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
<防除対策>
(1)発生状況の確認は、大型斑点米カメムシ類はほ場内、カスミカメムシ類は水田周辺の雑草地を中心に行う。
(2)ほ場・雑草地で斑点米カメムシ類が多発している場合は、表を参考に薬剤防除する。虫体へ直接散布する粉剤・液剤及び乳剤は即効性を示す。粒剤は水稲に吸収されて効果を示すため遅効性だが、周辺で収穫が始まっている場合等のドリフト回避に有効。
(3)大型斑点米カメムシ類は、飛来成虫よりも孵化幼虫による被害が大きく、乳熟期(籾を指で押しつぶすと乳液状の時期)から糊熟期(同様に糊状の時期)の吸汁によって被害が発生する(写真3)。そのため、大型斑点米カメムシ類の防除適期は、「穂揃期(出穂期3日後)」と、「乳熟期(出穂期から15日後頃)」の2回。
(4)カスミカメムシ類は水稲が出穂すると水田周辺の雑草地から水田に侵入し、出穂後7~14日に侵入数が最大となり、乳熟期~糊熟期の吸汁によって被害が発生する。また、割れ籾が発生すると、籾開口部から加害し、斑点米が発生しやすくなる。今年は登熟期が高温で割れ籾の発生しやすい気象条件であることから、「あきたこまち」など特に割れ籾が発生しやすい品種では、割れ籾の発生状況に注意し、追加防除を行う。
写真3:斑点米(提供:千葉県農林総合研究センター)
<注意事項>
(1)収穫前日数に注意する。
(2)空中散布を予定している地域では、薬剤の使用回数に注意する。
(3)共同防除実施地域においても、薬剤散布後に侵入した成虫によって被害が発生する可能性がある。例えばジノテフラン水溶剤(スタークル等)は残効が長く、防除後2週間程度は斑点米カメムシ類の発生密度の抑制が期待できるが、水稲の出穂状況や斑点米カメムシ類の発生状況により適宜、追加防除を行う。
(4)畦畔周辺にイネ科雑草が多いほ場では斑点米カメムシ類の発生が多い傾向がある。また、周辺より出穂が早いか、反対に特に遅い水田では集中的に加害されやすいので注意する。
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