【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岐阜県2024年7月24日
岐阜県病害虫防除所は、水稲に斑点米カメムシ類イネカメムシ、クモヘリカメムシなどが県下全域で多発のおそれがあるとして、7月19日に令和6年度病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
図:予察灯におけるイネカメムシ誘殺数(海津市)
岐阜県病害虫防除所によると、海津市に設置した予察灯では、イネカメムシの誘殺時期が過去4年間で最も早く、7月第1半旬から7月第3半旬までの誘殺数は24頭で、過去4か年の平均3.6頭と比較し約7倍と急激に増加している(図)。
写真1:水田に飛来し穂を吸汁するイネカメムシ(提供:岐阜県病害虫防除所)
写真2:イネカメムシ(体長12~13mm)(提供:岐阜県病害虫防除所)
美濃地域平坦部では、「あきたこまち」等すでに出穂が始まっている早生品種で、イネカメムシやクモヘリカメムシなど斑点米カメムシ類の大量飛来が多くのほ場で確認されている(写真1、2)。
名古屋地方気象台が7月18日に発表した1か月予報では、気温は平年より高い予想。斑点米カメムシ類の繁殖に好適な条件が続くと考えられる。
クモヘリカメムシ(体長15~20mm)(提供:岐阜県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
<本田および畦畔の管理>
(1)斑点米カメムシ類は、出穂期と同時に水田に侵入し、開花~糊熟期にかけて水稲を加害し、斑点米を発生させる。なお、イネカメムシおよびクモヘリカメムシは登熟初期から加害し著しい不稔被害を発生させるため、防除時期に注意が必要。
(2)斑点米カメムシ類の生息密度を低減させるため、畦畔、農道ぎわ、水路ぎわ、休耕田、および水田周辺などの除草を地域全体で一斉に行う。特に、イネ科雑草は好適な餌植物となるため出穂させないように管理する。
(3)水稲の出穂直前から出穂後の時期に除草を行うと、斑点米カメムシ類を水田内に追い込み、被害を助長する恐れがあるため、出穂10日前までに除草作業を完了する。
(4)水田内のヒエ類等のイネ科植物は好適な餌植物となるため、水稲が出穂する前に除去する。
<薬剤による防除>
(1)イネカメムシに対する防除は、防除時期が早い。散布剤による防除では出穂期前後、粒剤では出穂期の5~10日前が防除適期となるため、防除時期に注意する。
(2)イネカメムシ以外の斑点米カメムシ類に対する散布剤による防除は、穂揃期およびその7~10日後の2回実施する。なお、粒剤による防除は出穂期の7~10日後が基本となるが、使用する薬剤により防除時期が異なるため注意する。
(3)住宅地付近での防除は、事前周知に努め、薬剤が飛散しないよう注意する。
(4)ミツバチが飼養されている地域で防除を行う場合は、養蜂業者との連携を密にし、危被害の未然防止に努める。
(5)農薬の使用にあたっては、最新の登録情報を参照し、適正に使用する。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日