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【特殊報】「サツマイモ炭腐病」県内のサツマイモに初めて確認 鳥取県2024年11月1日

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鳥取県病害虫防除所は、「サツマイモ炭腐病」の発生を県内のサツマイモで初めて確認。これを受けて、11月1日に令和6年度病害虫発生予察特殊報第2号を発表した。

一部が変色、軟化した塊根と写真2:軟化部分の切断面(提供:鳥取県病害虫防除所)

一部が変色、軟化した塊根と写真2:軟化部分の切断面(提供:鳥取県病害虫防除所)

鳥取県病害虫防除所によると9月17日、県西部のサツマイモにおいて、塊根の一部が陥没、軟化、腐敗する症状が散見された(写真1)。イモの陥没、軟化した箇所の切断面は、表皮下から灰色~灰黒色に変色して腐敗症状を呈していた(同2)。また、表皮下の組織中に黒色の微小菌核が観察された(同3)。

写真3:表皮下の微小菌核(提供:鳥取県病害虫防除所)

写真3:表皮下の微小菌核(提供:鳥取県病害虫防除所)

鳥取県園芸試験場で罹病塊根から菌を分離し、分離菌の形態的特徴の観察及びPCR法による遺伝子診断(Bubuら、2007)により、サツマイモ炭腐病であると同定した。

サツマイモ炭腐病は鳥取県中部の施設栽培のウリ科作物で発生が確認されているが、サツマイモでの発生は今回が初めて。同病の国内におけるサツマイモでの発生は、令和4年度に神奈川県、岐阜県で発生が確認されている。

サツマイモ炭腐病の初期は、外部異常はないが、罹病したイモは次第に軟化する。内部は灰黒色となり、組織内におびただしい黒色の微小菌核が見られる(同3)。のちに皮部は暗褐色ないし黒色となって乾固し、内部は木炭状になる。

同病の生育適温は35℃付近で、根茎に形成された微小菌核によって土壌伝染。微小菌核は、土壌中で数年間生存し、連作によって菌密度は高まる。同菌の宿主植物は極めて広く、ウリ科、マメ科、キク科、ヒルガオ科をはじめとした多種の植物に感染報告がある。

同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。

〇10月末現在、サツマイモ炭腐病に登録のある農薬はない。そのため、罹病したイモを栽培したほ場では以下の耕種的防除を実施する。

〇連作を避け、輪作では同病の宿主植物以外の植物を選択する。

〇発生ほ場で使用した農機具や資材は、付着した土壌による感染の拡がりを防ぐため、使用するごとに消毒や洗浄を十分に行う。

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