貯蔵性の異なるタマネギ フルクタン代謝酵素活性の違いが明らかに2025年5月23日
酪農学園大学農食環境学群食と健康学類の上野敬司教授、北海道大学大学院農学研究院の志村華子教授、農研機構・東北農業研究センターの奥聡史研究員らの研究グループは、タマネギ貯蔵中にフルクタンが減少する速度は品種により異なることを示し、この減少にはフルクタン合成および分解酵素が関与することを明らかにした。
タマネギはフルクタンと呼ばれる炭水化物を食用部位である鱗茎に蓄積する。このフルクタンはヒトの健康維持に役立つ機能性成分。タマネギの貯蔵中、鱗茎のフルクタンは徐々に減少するが、この減少程度が少ないほどタマネギの芽は出にくく、貯蔵性が高いことが知られている。
これまで、貯蔵性の異なるタマネギのフルクタン含量の変動や萌芽性の違いにフルクタン代謝酵素活性がどのように影響するかはわかっていなかった。そこで研究グループは貯蔵性の異なるタマネギ2品種を用いて、貯蔵中の鱗茎のフルクタン含量、フルクタン合成および分解酵素活性の変動を調べた。
貯蔵中に萌芽が観察されなかったタマネギ品種のフルクタンは緩やかに減少し、フルクタン合成および分解酵素活性のいずれも低値を示した。一方、貯蔵中に萌芽が観察されたタマネギ品種では速やかにフルクタンが減少して低値を示し、フルクタン合成および分解酵素活性の変動も大きいことがわかった。このことから、フルクタン減少にはフルクタン合成と分解の両方の酵素活性が関わることが明らかになった。
タマネギ貯蔵中のフルクタンおよびその代謝酵素の変動に関する学術的な知見は、貯蔵性の高いタマネギ系統の育成やフルクタンを維持する貯蔵技術の開発などに貢献することが期待される。
同研究成果は、『Journal of Applied Glycoscience』誌に掲載された。
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