千葉大学と「オタネニンジンのアクアポニックス栽培技術に関する共同研究」開始 IGNITION2025年5月26日
株式会社IGNITIONは、千葉大学と共同研究「オタネニンジンのアクアポニックス栽培技術に関する研究」を開始。高度な循環型農法であるアクアポニックス技術を活用し、薬用人参のオタネニンジン(別名:チョウセンニンジン)の効率的な採種・発芽技術を確立する。
オタネニンジン
オタネニンジンの国内生産は1950~60年代をピークに大幅に縮小し、栽培農家数・栽培面積ともに激減。2020年の栽培農家数は1980年の約18分の1に、面積は約42分の1になったという報告もあり、国内自給率は約0.4%にまで低下し、ほぼ輸入に依存している。
オタネニンジンは種まきから収穫まで4~6年にわたり、高度な栽培管理技術が必要とされるため、新規参入のハードルがとても高い。特に、種子の休眠打破技術や発芽率向上、良苗生産には高度な技術が要求される。
アクアポニックス農法によるオタネニンジン育苗機材の前で。
千葉大学 渡辺均教授(左)とIGNITION代表取締役の佐藤吏氏
オタネニンジンは「人参湯」や「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」など多数の漢方処方に使われ、輸入価格の高騰などにより、国内製薬企業や漢方専門医療機関が安定的に良質な原料を確保できない状況にある。中国を中心に海外依存を続ける現状において、近年は輸出規制や国内需要増による原料不足が懸念されており、生薬原料の国産化は「医薬資源の確保=国家的な安全保障」の問題として、多くの研究機関や行政が取り組みを加速している。
共同研究では、水産養殖と水耕栽培を融合した循環型農法のアクアポニックス(Aquaponics)を用いて、オタネニンジンの種子生産と良苗の効率的な発芽を実現する技術開発に挑戦。オタネニンジンの発芽率の向上には高度なノウハウが必要とされるが、アクアポニックスによる持続的で安定的な水質・環境管理により、種苗生産の歩留まりを高める。また、室内(または適切なハウス環境)でのアクアポニックスを活用することで、天候や連作障害の影響を最小化できるだけでなく、水や養分の循環を最適化することで栽培リスクや作業負担の軽減を図ることが可能になる。
国内における高品質なオタネニンジンの種子・苗の安定供給が実現すれば、高品質な薬用原料を安定的に確保できるようになり、日本の漢方治療の発展と安定に大きく貢献することが期待される。また、同研究成果をもとに、国内外の新規参入者が参画しやすい生産モデルが確立されれば、農業の担い手不足問題の解消や、高齢化が進行する地域における新たなビジネスモデル創出のきっかけにもつながる。
重要な記事
最新の記事
-
会長に中嶋康博氏を選任 食料・農業・農村政策審議会2025年10月29日 -
10月31日に食糧部会 新委員で審議 農水省2025年10月29日 -
「出張!値段のないスーパーマーケット」大阪・梅田に開店 農水省2025年10月29日 -
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」青森県で開催 JA全農2025年10月29日 -
岩手県新ブランド米「白銀のひかり」デビュー ロゴマークを初披露 JA全農いわて2025年10月29日 -
茶畑ソーラー営農型太陽光発電でバーチャルPPA契約 JA三井エナジーソリューションズ2025年10月29日 -
基腐病に強い赤紫肉色のサツマイモ新品種「さくらほのか」を育成 農研機構2025年10月29日 -
サツマイモ基腐病に強い 沖縄向け青果用紅いも新品種「Hai-Saiすいーと」育成 農研機構2025年10月29日 -
アイガモロボ(IGAM2)環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の対象機械に認定 井関農機2025年10月29日 -
2025年度JA熊本県青壮年部大会開催 JA熊本中央会2025年10月29日 -
鳥インフル 米ジョージア州などからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月29日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月29日 -
SNSで話題 ライスペーパーレシピ本『ケンミンぼうやに教わる ライスペーパーレシピ』発売2025年10月29日 -
2025年度JCSI調査 生命保険部門で「顧客満足度」9度目の1位 CO・OP共済2025年10月29日 -
東京農業大学「第二回スマート農業・ロボティクス研究シンポジウム」開催2025年10月29日 -
地産全消「野菜生活100 本日の逸品 茨城県産紅ほっぺミックス」新発売 カゴメ2025年10月29日 -
自律走行AIロボット「Adam」北海道で展開 住商アグリビジネスがPRパートナーに 輝翠2025年10月29日 -
ファームエイジと連携 放牧農家における脱炭素を促進 Green Carbon2025年10月29日 -
ハレの日の食卓を彩る「旬を味わうサラダ 紅芯大根やケール」期間限定発売 サラダクラブ2025年10月29日 -
パルシステム「ポークウインナー」に徳用パック登場 プラ約1.5トン削減も2025年10月29日


































