海水から国産肥料の原料を回収 カリウム資源を選択的に回収する技術を開発 産総研2025年6月24日
国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)材料基盤研究部門の山口匡訓研究員、富山健男産総研特別研究員、田中寿研究グループ長、川本徹首席研究員は、海水からカリウムを選択的に回収する技術を開発した。
カリウム(K)は、窒素(N)・リン(P)と並んで植物の成長に不可欠な三大栄養素の一つ。その主な生産地は限られており、日本ではほとんどを輸入に依存しているため、地政学的リスクや周辺有事の影響を受けやすく、安定供給には懸念がある。一方、海水には量としては多くのカリウムが含まれているが、約0.04%と濃度が低いことで、有効利用できていない。
現在、苦汁(にがり)からカリウムを回収する手法は存在するが、海水から食塩を製造する際の副生成物であるため、生産量に限りがある。豊富に存在する海水からカリウムを直接回収できれば、国内需要を満たすカリウムを供給できる可能性があるが、海水中のカリウムイオンの濃度は、化学的性質が似た競合イオンであるナトリウムイオンに比べ重量比で25分の1程度と低いことから、高純度で回収することは難かしかった。
この課題に対し、産総研は、プルシアンブルー型錯体を薄く塗布した電極を電気化学的に制御して、海水からカリウムイオンを選択的に吸着・脱離する技術を開発。この技術を用いて模擬海水から吸着・脱離を3回行うことで、海水のナトリウムイオンを99%以上排除し、カリウムイオンを10倍以上濃縮した水溶液を得た。今後、カリウムイオン水溶液の濃度をさらに高めることで、農作物の生育に必要なカリウム資源を、国内で安定的に生産する技術へと発展できると期待される。
同研究成果は5月8日、『Water Research』誌にオンライン掲載された。
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