日本の伝統食品「麹」を応用 タンパク質増産技術を開発 農研機構2025年8月5日
農研機構は、日本の伝統発酵技術である"麹(こうじ)づくり"を応用し、穀物を原料として短期間で食用タンパク質を生産できる窒素同化固体発酵法を開発した。簡便な発酵処理で穀物のタンパク質を倍増できる同技術は、新しい食品素材の提供につながるだけでなく、世界的なタンパク質需要増加への対応に貢献することが期待される。
図:窒素同化固体発酵の概要。桃色で示した反応がタンパク質の増加に寄与
世界人口の増加や新興国の経済発展に伴い、タンパク質の需要は世界全体で急速に増え、タンパク質の供給不足の発生が懸念されている。タンパク質供給力の維持・強化に向けて、既存の食料システムと調和した低コストで高効率な新しいタンパク質生産プロセスが求められていることから、農研機構は日本の伝統的な発酵食品である"麹"を応用。培養時に窒素化合物を添加するという工夫を加えることで簡便かつ迅速に食用タンパク質を生産する、"窒素同化固体発酵"という技術を開発した。
研究では、米とトウモロコシにアンモニアや尿素等の安価な窒素化合物、その他の無機塩類、麹菌の胞子を混合して30℃で静置し、4日後に培養物に含まれるタンパク質の量を評価。その結果、発酵前の米およびトウモロコシに比べ、タンパク質の量がそれぞれ2.3倍、1.6倍に増加した。また、米やトウモロコシのタンパク質は、構成するアミノ酸のうち、必須アミノ酸であるリジンの比率が低いことが知られるが、麹菌の発酵によってリジンの比率が高まり、タンパク質の質が向上することも明らかになった。
この成果は7月31日、Springer Natureが刊行する学術誌『npj Science of Food』で論文として公表された。農研機構では同成果の実用化に向けて、窒素同化固体発酵を用いた高タンパク質な食品素材の開発を目指す。
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