熊本県菊池市でムスカ有機肥料の利用効果を実証試験2020年8月25日
昆虫の力を活用し高効率なバイオマスリサイクルシステムで1週間で肥料と飼料に転換するシステムを開発する(株)ムスカは、令和2年度の熊本県菊池市アグリ技術実証事業に採択された。農業生産者で農事組合法人「たかなが」とムスカ有機肥料の利用および効果について実証試験を行う。
ムスカラボの畑
ムスカの流郷代表取締役CEO同事業は、菊池市の生産者が抱える各種課題を、ベンチャー・研究者等の先進技術により解決することで、農業生産者の事業成長促進を目指す取り組み。同社は、地作り及び減農薬栽培にこだわりを持ち、野菜等を栽培する農業生産者と、豚糞由来のムスカ肥料を既存の堆肥等の農業資材の代替品として使用する。
この取り組みの中で、作物の収量、成分、土壌等の変化を分析することで、既存の農業資材とのムスカ肥料の有効性を科学的な検証を行う。
同社は、約50年間にわたって1200世代に及ぶ優良種を選別交配したイエバエの種を活用し、1週間で有機廃棄物を飼料と肥料に分解する超効率バイオマスリサイクルシステムを開発。生成される飼料については、魚類を用いた実験により耐病性付与及び増体効果が、肥料については、主要な植物病原菌に対する抗菌作用が、いずれも大学との共同研究により確認された。価値の低い廃棄物から高い機能性を持つ飼料および肥料を効率的に生成するこのシステムをいち早く商業化し、究極の持続可能な循環型社会の実現をめざしている。
同社代表取締役CEOの流郷綾乃氏は「新型コロナの影響で思うように事業が進まないことも多々あるが、このような状況だからこそ、今回の取組のように、新たなことにチャレンジする意義をすごく感じている。この度は、昆虫テクノロジーの魅力を生産者の方に届けるきっかけいただき、熊本県菊池市の職員および農業生産者の皆様に本当に感謝します」と話している。
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