「AI灌水制御装置」による高機能トマトの試験栽培開始 Happy Quality×イノチオアグリ2020年10月23日
農業支援と青果卸売業務を展開する(株)Happy Qualityは、農業施設や農業資材の販売など農業を総合支援するイノチオアグリ(株)と共同でAI灌水制御装置を用いた高品質・高機能トマト「Hapitoma(ハピトマ)」の試験栽培を始めた。

ハッピークオリティーは、自社の主力製品である高品質・高機能トマト「Hapitoma」を安定的に生産するためAI等の技術を開発。トマトをはじめ植物の生産では、日照量に応じて果実表面温度や飽差、蒸散量を鑑み緻密に潅水をコントロールするなど高度な栽培技術が必要となる。同社は、静岡大学情報学部と連携し「葉のしおれを画像認識により分析・潅水するAI潅水システム」の開発を行い、多様なセンサによるデータ収集システムと深層学習を用いたAI潅水システムを確立した。
一方、イノチオアグリは、農業の現場となる農業施設および栽培システムの開発から設計、製造、施工までを自社で手がけ、多様な灌水パターンの設定が可能なオリジナル灌水制御盤システム「AQUA BEAT(アクアビート)」を展開している。将来的にはハッピークオリティーのAI潅水システムと、イノチオアグリの「AQUA BEAT」を組み合わせることで、新たなAI潅水制御装置の開発と普及をめざす。
今回の試験栽培では、ハッピークオリティーとイノチオアグリの双方の技術を組み合わせてシステムの改良やアップデート行い、新システムを用いた高糖度トマトの試験栽培を行う。すでに9月下旬から、試験栽培で収穫した高品質・高機能トマト「Hapitoma」の出荷を始めている。
今後、ハッピークオリティは、イノチオアグリとの共同栽培試験により、AI潅水制御装置の普及モデルの完成をめざす。また、社会課題でもある高齢化や後継者・労働力不足、収益の減少等を理由に離農する農業者を食い止め、新規就農者や若手農家の早期収益化へのビジネスモデルを全国に展開していく。
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