重量計付きブロードキャスタ「GPSナビキャスタ」を市販化 IHIアグリテック2021年9月17日
株式会社IHIアグリテックは、農研機構と共同で重量計付きブロードキャスタの市販化に向けた研究に取り組み、GPS ナビキャスタ(重量計付きブロードキャスタ)の実用化に成功。2022 年2 月に市販化を予定している。
<図1>市販機の外観
ブロードキャスタは資材を広範囲かつ高能率に散布可能な作業機で、基肥や追肥散布などに利用されている。これまで手動で資材繰出部のシャッタ開度を調整していたものが、電動シャッタとGPS 受信機から得られる車速情報を利用することで、任意の作業速度で高精度な施肥が可能となった。また、肥料の特性によってばらついていた散布量も、事前に肥料流動測定値を取得することで、資材特性に影響されずに施肥ができる。
近年は、作物の高品質化に伴い、ほ場に投入可能な窒素量に上限が設けられるなど、より精密な施肥管理が求められるようになった。また、ドローンや衛星などのリモートセンシング技術の普及で、急速に進む農作業の精密化・高度化した技術を最大化するためにも作業機側のさらなる高精度化が求められている。
このほど、開発した「GPSナビキャスタ(重量計付きブロードキャスタ)」は、リアルタイムでホッパ内の資材量を計測でき、これまで目視や付帯設備で把握していたほ場への資材投入量を、トラクタ内で即座に把握できる。また、計測結果により施肥作業中に散布量(シャッタ開度)を自動補正できることから、作業環境や使う資材、機械の状態など、作業のたびに変化する諸条件の影響を受けない正確な散布が可能となる。
同機は、スパウトタイプのブロードキャスタで、本体、電動シャッタ、施肥コントローラ、経路誘導装置、GPS アンテナ(受信機一体型)で構成。リアルタイムに資材量を計測するための重量センサ(ロードセル)が、前方フレームと後方フレームの間に搭載されている(図1)。
農研機構 農業機械研究部門附属農場が行った試験では、散布精度が97〜101%となり、高精度に散布できることを確認。また、肥料流動測定値が不明の場合や正しくなかった場合を想定し、肥料流動測定値を実際の1.2 倍に設定した条件で重量計による散布量自動補正の制御効果を確認した試験では、制御あり(制御開始から作業終了まで)は制御なし(作業開始から作業終了まで)と比較して散布誤差が1%に低減し、制御による散布誤差低減効果が確認された(図2)。
<図2>制御効果確認試験結果(設定散布量30kg/10a)
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