河川構造物の耐摩耗性の評価に活用「回転式水中摩耗試験」開発 農研機構2022年10月26日
農研機構、神戸大学、ベルテクス株式会社は、河川で生じる小石混じりの水流を再現し、材料の耐摩耗性を評価する「回転式水中摩耗試験」を開発した。この試験方法により、現場で生じる摩耗を室内で再現でき、現場の実態に即した材料の品質評価を実施できる。
回転式水中摩耗試験装置の構成
河川では、特に出水時に、水の流れとともに小石などの固形物が川底を転がることによって激しい摩耗が生じる。河川に造られる取水施設である頭首工などに使われるコンクリートやその補修材料には耐摩耗性が要求されるが、小石混じりの水流による摩耗劣化を評価できる試験方法はなかった。
そこで、農研機構、神戸大学、ベルテクス株式会社は、河川構造物で生じる摩耗劣化を模擬した新たな試験方法「回転式水中摩耗試験」を開発した。同試験は、水を満たした容器内に小石を模擬した鋼材を投入し、容器内に回転水流を発生させることで、河川で生じる小石混じりの水流を再現。現場の実態に合った条件で材料の耐摩耗性を評価し、耐摩耗性の高い材料を選定できる。
回転式水中摩耗試験の状況(左:上から見た様子、右:水中の様子)
長年にわたる利用により老朽化が進む農業水利施設を、今後も持続的に利用するには、補修による長寿命化が不可欠。同試験によって、補修材料の品質を事前に検査することは、補修の効果を長持ちさせることにつながり、構造物の維持管理費用を抑えた農業水利施設の保全・管理につながる。また、同試験の活用によって、摩耗に強い新材料の開発が進むことも期待される。
今後は、現場から採取した材料(コンクリートや補修材)に対しても試験ができるよう、試験装置の改良を予定。現場から採取した材料に対して同試験を適用できれば、施設の将来的な摩耗量を予測できる可能性があり、施設があと何年後に摩耗で使えなくなるか予測することも可能。合理的に補修時期や補修工法を立案することができる。
なお、同試験の対象は頭首工に限定したものではなく、小石混じりの水流による摩耗が生じる水利施設全般で広く活用できる。
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