カメムシをAIで高精度に検知 カット野菜の昆虫検知システムを発売 トラスト・テクノロジー2024年6月5日
AI画像検査システム開発の株式会社トラスト・テクノロジーは7月1日、AI画像処理によるカット野菜の昆虫検知システムを発売。カット野菜の製造工場向けにシステムを提供し、従来目視検査で行っていた葉物野菜に紛れ込む、カメムシや蛾、芋虫など昆虫をはじめとした異物をカメラとAI画像処理で高精度に検知し、見逃しを防止する。
カメムシなどの昆虫は有機体で、色も葉物野菜と近しいことから、食品工場で一般的に用いられる金属探知機やX線検査装置、色彩選別機をすり抜けてしまい、技術的にも検査の自動化が困難な存在。そのため、多くのカット野菜工場では、人の手で野菜を少しずつ掻き分けながら、目視検査で除去作業を行っているが、人による検知や除去が難しく、見逃しも多いことから、出荷製品から完全に取り除くことは不可能に近い。目視検査で見逃された昆虫が一旦、食品として消費者に出荷されてしまうと、消費者からのクレームに直結。特にカメムシに対する消費者の嫌悪感は凄まじく、製造メーカにとって経営上も非常にリスクの高い存在だった。
これら異物流出の問題は、カット野菜に限らず、多くの食品の異物検知で共通のテーマであることから、同社は食品工場の課題を解決するため、AI画像検査システム「AIインスペクター」を多くの食品工場に供給し現場導入を進めている。
AIインスペクターの食品工場向けのラインナップとしては、2021年から精肉工場向けの毛髪検知、コバエ検知のパッケージを提供。2023には、野菜工場向けのアマガエル検知パッケージを提供し、今回カメムシを加えたカメムシ検知システムを開発し、提供する。
カメムシを検知するAIは同社で事前に大量のカメムシを用いて学習済みで、システムパッケージとして提供。レタスやキャベツ、白菜については、ユーザはAIの学習を行うことなしに、導入後すぐに工場の生産ラインで使用できる。
カメムシは、国内で多く発生するツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシで高精度に検知できることを検証済み。また、カメムシ以外の蛾や芋虫、バッタなどの多くの昆虫にも対応し、野菜工場の異物検知は、同システムのみで対応する。
価格は、AIインスペクターの本体価格が250万円(税別)。これにカメラや照明などの検査装置一式に、カメムシ検知AIをパッケージとして、1ライン700万円(税別)から。同システムは検査だけでなく、警告表示等によるアラーム表示や、オプションでベルトコンベアの停止や自動排出装置と組み合わせた、完全自動化システムも提供する。
同システムのデモは、6月7日まで東京ビッグサイトで開催中の展示会「FOOMA JAPAN 2024(国際食品工業展)」のトラスト・テクノロジーのブースで紹介している。
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