生産資材:年頭あいさつ2019(農機・資材)
雨宮 宏司 氏(一般社団法人日本農業機械化協会 会長)2019年1月3日
新年明けましておめでとうございます。
我が国農業をめぐっては、後継者問題を始めとする様々な状況を抱えているところですが、農業機械に関しては、スマート化、ICT化が世界に先駆けて進展しつつあり、農業の活性化にも大きく貢献するものと期待が盛り上がっています。
スマート化の進展と安全対策に尽力
政府においても先般、「農林水産業・地域の活力創造プラン」が改訂されましたが、このなかでは「スマート農業の推進」に関する項目が新たに設定され、その速やかな普及等が記述されています。本会としても来たる2月28日に埼玉県鴻巣市で「ロボット&ICT農機実演検討会」を行う予定ですが、これは各メーカーのロボットトラクターが揃ってほ場で実演する初めての機会であり、その活用方策等の議論を深めていく場になればと考えています。また、特に実用化にあたって課題となる安全性に関しては、同じく各メーカー等からなる「ロボット農機安全性確保策検討コンソーシアム」を組織し、具体的な安全方策の策定に取り組んでいます。
一方、従来ベースの安全対策も重要です。農業の就業者当たりの死亡事故数は他産業と比べて高く、特に高齢者割合が多いことから本会としては全国農業機械士協議会とタイアップし、「ベテラン農業機械点検」を実施しているところです。これは、農業機械のプロである農業機械士の皆さんが高齢者所有の農業機械をチェックし、安全上問題点があれば改善を図るとともに、当該高齢者の方に安全意識の啓発をするというもので、約1000台を対象に行っています。今年は、このような取組みを更に充実させ、事故減少につなげていく所存です。
さらに、生産性向上・コストの低減については、特に中古農業機械査定士制度を設置・運営しています。有資格者数は既に1600名を超え、今年はこれらの方々が査定業務に使いやすいネット上のシステムなども準備することにより、安心できる価格で健全な中古市場が育成されるようお役に立てればと考えています。
末筆となりましたが、本年も農業機械化・施設化に尽力される皆様のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
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