業務用野菜で合弁会社 JA全農とキユーピー2013年8月27日
JA全農とキユーピー(株)は8月27日、共同記者会見を開き、業務用野菜を加工・販売する新合弁会社「(株)グリーンメッセージ」の設立を発表した。新会社では主に、全農は食材の調達を、キユーピーは加工品の製造を担い、販売面では両者がこれまで培ってきたルートを活用するなどして協力する。食生活の変化などから、近年、急速に拡大しているカット野菜市場へ対応した商品づくりで、国産野菜の販売拡大をめざす。
1年間に国内で消費される生鮮野菜は約900万t。加工・業務用はこの5割以上を占める約500万tで、そのうちカット野菜は80万tほどになる(農水省農林水産政策研究所調べ)。消費量全体は年々減少しているものの、高齢化や単身世帯の増加、中食・外食の普及などを背景に加工・業務用が占める割合は年々高まっており、今後もさらに伸びると見込まれている。
こうしたトレンドを受けて、キユーピーグループは中期経営計画の方向性の一つを「野菜のキユーピー」としている。今回の合弁会社設立は、業務用野菜加工品市場への取り組みをすすめたいキユーピーと、国産原料の使用量を増やし「元気な産地づくり」をすすめたいJA全農の思惑が一致したもの。
新会社のめざす姿は、生産者と消費者の「想いをつなぐ野菜工場」。サラダ、サンドイッチなど生食用の業務用カット野菜を中心に製造・販売するが、生産過程で出る残さも飼料・肥料などとして活用するなどして、「野菜の持つ可能性をすべて引き出し」、一切を無駄にしない運営をめざす。
出資金は20億円で、出資比率はキユーピー51%、全農49%。神奈川県大和市のJA全農の保有地を利用し、約20億円を投資して新工場を設立。新工場は平成26年10月から操業を始め、27年には売上高18億円をめざす。また、37年までにさらに2つの新工場を設立し、合計3工場で売上高100億円をめざす。
会見で、全農の成清一臣代表理事理事長は「消費者ニーズを先取りした新しい事業に取り組み、国産野菜の消費を拡大したい」、キユーピーの三宅峰三郎代表取締役社長は「野菜の加工を通じて、国民に健康的な食生活を提供したい」と、それぞれ豊富を語った。
【新会社の概要】
▽名称:株式会社グリーンメッセージ
▽本社所在地:東京都府中市(新工場竣工時に、神奈川県大和市へ移転)
▽設立時期:平成25年12月3日
▽新工場敷地面積:3500坪(延床面積1500坪)
▽新工場生産能力:年間約8000トン
(写真)
記者会見で握手する三宅キユーピー社長(左)と成清全農理事長
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日