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米:元気な国内農業をつくるためにいま全農は

【米穀部】大手実需者と複数年契約拡大 需給改善対策も課題に2014年2月26日

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・需給の大幅緩和で契約・販売に遅れ
・JAとの連携を強め、集荷対策に成果出す
・安定取引の実現で、大手実需に販売へ
・JAグループが販売環境整備へ

 JA全農の25年度米穀事業は、24年産米に引き続き、生産者からJAへの出荷400万t、JAから連合会への出荷300万t以上の集荷目標を掲げ、播種前・収穫前・複数年契約などによる実需者とJAの結びつけ強化をはかるなかで、大規模生産者も含めた集荷拡大に取り組んできた。今回は25年産米取り組みのこれまでの成果と26年産米に向けた課題などを解説する。

◆需給の大幅緩和で契約・販売に遅れ

 25年産米は、米卸業者が24年産米在庫を大量に抱えたなかで出来秋を迎えた。一昨年の出来秋は、震災の影響が引き続いたことから“玉不足感”が高まり、米卸業者は24年産米の出回り時期を迎えると早期の確保に動いた。しかし、その後、消費減退などで30万t程度が持ち越し在庫となった。
 さらに25年産米の生産量は818万tと、生産数量目標を27万と上回ることとなり、想定外の持ち越し米と合わせれば50?60万tが過剰となるとされる。農水省がまとめている民間在庫量は昨年11月末で392万tと前年同時期より35万tも上回っている。また、同省が昨年11月末に策定した基本指針では今年6月末の在庫水準は前年より31万t増の255万tと近年では最大の水準となる見込みだ。

主食用米等の需給資産(全農試算)

 こうした大幅な需給緩和のため、出来秋の業者による活発な集荷競争はなかったものの、市中相場は低迷、米卸業者は当用買いを中心とするなど慎重な仕入れに徹していることから、JAグループの契約・販売実績は前年を大幅に下回る状況が続いている。
 JA全農米穀部のまとめでは1月末(速報値)の契約実績は前年比66%となっている。また、販売実績も米卸業者が古米の消化を優先させていることから前年比76%となっている。
 一方で需要に応じた米生産を進めるために、非主食用米の生産拡大も課題だった。
 取り組み数量は全国ベースで前年比110%。うち全農取扱いベースでは114%となった。内訳を全農取扱ベースでみると、原料不足が叫ばれた加工用米は前年比129%、備蓄米の落札数量は同238%となった。ただ、飼料用米(同42%)、米粉用米(同59%)と大きく減少したことから26年産への課題は残したものの、非主食用米全体としては生産量を増やし、加工用米では安定供給と生産者の手取り確保につなげた。
 しかし、主食用米の価格は低迷している。販売価格の動向をみると、昨年12月の相対取引価格(1月31日農水省公表)は60kg1万4582円(税込・包装込)。前々月から同170円、前月から同55円下がった。前年同時期比では同1958円下回っている。
 卸間売買相場などをもとにした市況価格となるとさらに安値となっている。2月上旬の全農相対価格との差は60kg600?1000円安値という産地銘柄が多いが、関東の銘柄は同1900?2400円も相対価格より安く60kg1万2000円台にまで下がっている(表2)。
 こうしたことから後述するようにJAグループとして需給改善対策に取り組むこととし現在、対策実施に向けて検討が進められている。 

25年産主食うるち米の相対販売基準価格と市況取引価格比較

◆JAとの連携を強め、集荷対策に成果出す

 一方、大幅な需給緩和によって早い段階からの集荷業者の活発な動きはなく、集荷環境の改善はみられた。
 集荷数量の見込みはJA集荷は364万t、連合会集荷は284万tと目標には届かなかった。
 ただ、25年産米の生産量は前年より3万t減少し、集荷対象となるふるい上(産地の実編目上)収穫量は11万t減少するなかでは、連合会集荷見込みが前年比101%と上回ったことは注目される。これにはJA直売から連合会委託への5万t程度の切り替えが進んだことも要因だという。また、連合会集荷見込みのうち4万tはパールライス会社による直接買い取りとなっている。
 集荷対策のうち生産者対策では、大規模生産者をはじめとする担い手に対して、JAのTACとの連携、庭先集荷、フレコン集荷の拡大に力を入れた。TACとの連携で担い手のニーズ(価格水準、早期精算、利便性、販売先の明確化等)の情報共有化をはかり、同行推進によって集荷積み上げを進めた。また、労力軽減や物流の効率化などの利便性に応える庭先集荷やフレコン集荷の拡大も集荷数量の積み上げにつながった。これらの取り組みには全国で27?29県が重点事項として推進した。
 また、JA巡回では県本部等幹部職員、本所役員によるJA役員への出荷要請、生産者への推進同行などの積極的な働きかけで一定の成果をあげた。
 一方でこれらの取り組みを通じて、生産者ニーズに合わせた集荷体制、出荷規模に応じた柔軟な取引条件設定、公平性確保や概算金設定など共計運営のあり方などについての課題も改めて浮き彫りになったとしており、26年産対策に反映させていく方針だ。

◆安定取引の実現で、大手実需に販売へ

田植えのようす 販売対策では、大手実需者対応の強化に向けて、播種前・収穫前・複数年契約といった事前契約の拡大に取り組んだ。とくにJAと実需者を結びつける「3・4者契約」の拡大を図った。
 複数年契約には福島、長野、福岡、佐賀の4県が新たにに取り組み、ホクレンでは事前契約全体の8割、宮城では7割を複数年契約としたほか、新潟では大規模生産者を対象に契約栽培的な複数年契約を拡大したことから契約数量は倍増したという。
 同時に、大手実需者対応を強化するため今年度は本所に大手実需者専任チームを設置した。
 具体的な成果は大手コンビニとの複数年契約数量の拡大だ。取り組みは23年産から始まったが、25年産では産地を拡大した。安定取引を実現するために生産コストを勘案した年間固定価格に加え、毎月の相対取引価格を変動要素に加味する方式を導入した。安定取引を実現しつつ、価格変動によるメリットを双方が一定程度享受できることになる。
 また、生協との取引については本所に総合窓口を設置し、定期的に情報交換を行うとともに、これまでの各県本部と指定卸との契約を一部で全農本所による一括契約とした。今後はこうした3者契約を拡大し、原料の本所一括管理・調整を拡充する方針だ。
 そのほか回転寿司チェーンと業務用米の安定供給に向けて協議を進め、その具体化に向けて高収量品種の栽培を産地に提案する取り組みを行った。全農による種子供給も含めて今後の具体化、継続取引につなげる方針だ。

(写真はイメージです)

 

◆JAグループが販売環境整備へ

たわわに実る稲穂 JA全農米穀部ではこうした25年度の取り組み状況を改めて総括したうえで、3月にも26年産米生産・集荷・販売基本方針を決めることにしている。
 その際、26年産米の生産、販売環境を整備することが当面の課題となる。 すでに触れたように25年産米は卸が在庫を抱えるリスクを避けようと当用買いに徹して前年産にくらべて契約・販売が大きく遅れている。また、24年産持ち越し米は、家庭用精米が新米に切り替わってからはおもに業務用に仕向けられているため、25年産米の業務用向け契約・販売も著しく停滞している。
 このためJAグループでは自ら需給改善対策に取り組むことが重要との考えで、米穀機構(米穀安定供給確保支援機構)に生産者が拠出した過剰米対策基金を活用した販売環境整備対策を実施する方向で検討が進められている。対策はJA全中を中心に進められるが、JA全農は対策実施にあたっての実務を担うほか、需給と価格の安定をはかったうえで25年産米の早期全量契約を推進することにしている。
 こうした取り組みを通じて25年産米を適正価格で販売することをめざすとともに、それでもなお需要を超える米については業務用の古米需要と早期に結びつけることで26年産価格への影響を回避するなどの取り組みを続けていく方針だ。

(写真はイメージです)

 

【特集・元気な国内農業をつくるために“いま全農は…”】

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