【コラム・目明き千人】ふわふわとした政治2013年6月26日
真剣に議論をしなければならない大切なことが、マスコミ受けのするキャッチコピーやスローガンを並べたふわふわとした雰囲気の中で決められている。
TPP交渉への参加、安全の確認ができたとする原発の再稼働、景気最優先の株価と為替のマネーゲーム、1人当り国民総所得を10年で150万円増やす、農業・農村の所得を倍増、農産物・食料輸出を2012年の4500億円から1兆円へ倍増、6次産業化の規模を現在の1兆円から2020年に10兆円規模に、コメの生産費40%削減、きな臭い話ではオスプレイの追加受け入れ、カリフォルニア沖合での自衛隊のアメリカの海兵隊との合同上陸訓練、自衛隊の国防軍化、極め付きは「憲法96条の改正」と安倍のミックスがやっていること、これからやろうとしていることをザーッと並べてもこれだけある。マスコミに取り上げられ、テレビに映る目立ちがり屋であるところは安倍首相も大阪の橋本市長と同じ水準である。
TPPにしてもオバマさんが聖域は尊重すると約束をしてくれたとしてアメリカから帰国をして真っ先に参加を表明した。歴代の政府は牛肉・オレンジの自由化交渉、ガット・ウルグアイランド、WTO等の交渉では自由化絶対反対は貫くとのタテマエを崩さないポーズを取りながら最後のところではアメリカの圧力に押し切られ、妥協の産物として農林予算を大幅に増額する、という手法を取ってきた。妥協の産物で農家の役にたたない予算の大幅増額が、結果として農産物の自由化をめぐる国民の理解が農家、農協への不信という世論をつくってきた。
もうこのような手を使うのは限界であることがわかってもよいころだ。
農業は地理、天候など自然条件に左右され、資本を投下して生産、販売をして結果が出るまで少なくても3~5年はかかる。6次産業化により付加価値部分を農家に、という発想は間違ってはいないが、第2・3次産業も国際競争の中で如何にコストを下げるかでしのぎを削っている。ファスト・フードがどうしてこんなに安く売れるのかに疑問を持てば、付加価値の部分が実際はマイナスとなっている分野があることもわかる。
日本の首相が短期間にくるくる変わるのは国内はもとより、国際的にも信用が無くなりマイナスであることは承知をしているが、キャッチコピーのようなスローガンを並べてはハシャイデいる人の長期政権はもっと困る。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日