シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになると思うが、まずは改正法全体の理解を深める方が先決と考え、引き続き条文の内容把握をすすめている。今回は第三十九条~第十条だ。
第三十九条は旧法の三十条を改定したもので"農産物の価格の形成と経営の安定"をテーマにしている。その内容は、「国は、農産物の価格の形成について、第二十三条に規定する施策を講ずるほか、消費者の需要に即した農業生産を推進するため、需給事情及び品質評価が適切に反映されるよう、必要な施策を講ずるものとする。 2 国は、農産物の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるものとする。」となっている。
この条文でいう第二十三条に規定する施策には整理すると次のようなものだ。
それは、食料システムの関係者による食料の持続的な供給に関し、①食料供給に要する合理的な費用が考慮されること、②持続的な供給の必要性に対する理解を増進すること、③食料供給に要する合理的な費用の明確化を促進すること の3点だ。
これはシンとんぼ的にはいち早くやらなければならないことだと思っているが、今も続いている令和の米騒動の対する国の対応をみていると、早速この第三十九条のことが忘れ去られ、おろそかにされているように思える。なぜ、米騒動をきっかけにしてこの第三十九条を実行に移さなかったのか疑問だ。相変わらず消費者渡し価格のみに軸をおいて、新任大臣のパフォーマンスに付き合わされて5kg2000円が米の標準価格だと思わせるような施策をとってしまった。なぜ、米騒動前の価格は安すぎて再生産も難しい価格であった事実や、今後も持続的に生産を続けるために必要な合理的な費用を明確化しなかったのだろうか? 絶好のチャンスだったのに。
シンとんぼは、折角のこの条文も絵に描いた餅になりそうで、とても不安でがっくりしている。
重要な記事
最新の記事
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】タコ市首相初の所信表明に慄く 国民より国家優先鮮明2025年11月10日 -
【Jミルク脱粉在庫対策】12月に「全国参加型基金」発動決定、国の支援も不可欠に2025年11月10日 -
米価水準 「下がる」見通し判断が大幅増2025年11月10日 -
既存農機に後付けで自動操舵 韓国GINTの次世代モデル「Next-G」日本投入へ2025年11月10日 -
鳥インフルエンザ 新潟県で国内4例目2025年11月10日 -
国産農畜産物で料理づくりに挑戦「全農親子料理教室」厚木市で開催 JA全農2025年11月10日 -
JA全農あおもり、外川農機と三者連携 AI自走ロボットの実証・販売強化へ 輝翠2025年11月10日 -
【今川直人・農協の核心】農協による日本型スマート農業の普及(2)2025年11月10日 -
本日10日は魚の日 鹿児島県産「うなぎ蒲焼」など130商品を特別価格で販売 JAタウン2025年11月10日 -
令和7年産新米PRを支援 販促用ポスターを無償提供 アサヒパック2025年11月10日 -
NICTと連携 農業特化型生成AIモデルの構築へ 農研機構2025年11月10日 -
JAアクセラレーター第7期採択企業9社が成果を発表 あぐラボ2025年11月10日 -
"食のチカラ"を体験するイベントに出展 農機体験に人気、女性農業者支援をアピール 井関農機2025年11月10日 -
「製麺所(製麺業)」倒産減少 コメ高騰で麺が人気 帝国データバンク2025年11月10日 -
米粉の消費拡大へ「地域の取り組みを知るゼミ」開設 米コ塾2025年11月10日 -
高輪ゲートウェイで初の3万人規模イベント「農業」をテーマに開催2025年11月10日 -
ALLYNAV自動操舵システム最新モデル「AF718」発表 マゼックス2025年11月10日 -
「豊橋アグリミートアップ」豊橋農家と首都圏スタートアップの交流イベント 東京で初開催2025年11月10日 -
北海道のジャガイモ産地を応援 JAいわみざわ、JAとうや湖の新じゃがポテトチップス発売 カルビー2025年11月10日 -
能登半島地震復興支援 珠洲市の焼酎メーカーの本格焼酎を限定販売 グリーンコープ共同体2025年11月10日


































