JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。すでに、水に希釈して散布する剤型を題材にそれらを効率的に作物へ付着させる方法について整理しました。現在は、製剤をそのまま散布する農薬の散布機械をご紹介しています。
2.製剤をそのまま散布する動力散布機(つづき)
(2)背負式動散
動力源と薬剤ホッパが一体となった散布機をリュックのように背中に背負って散布する、最も一般的な散布機です。モーターや小型ガソリンエンジンを動力源にして、ファンや円盤を回して固形製剤を遠くにに飛ばして散布します。薬剤ホッパの容量は10kg~30kg程度の散布機が一般的であり、薬剤タンクに薬剤を満載すると、エンジン重量と合わせて40k程度となり、背負って散布するには、かなりの重労働を強いられます。この点、電動の場合は幾分軽いのですが動力が弱く、バッテリーの持ち時間が限られることから、あまり大面積での散布には向いていません。
背負式動散には、噴頭と呼ばれるパイプ状のものを使用して遠くまで飛ばして散布することが多く、畦畔噴頭と呼ばれるものを装着すると15m~20m飛ばすことができますので、幅が30m程度のほ場であれば、中に入らずに畦畔を回るだけで散布ができます。
また、吹き出し口にナイアガラホース(30m~55m程度のビニルホース)をつなげば、ホースの長さの幅で均一に散布することができます。このホースを使用して散布する場合、機械を背負う係とホースの先端を持つ係の最低2名の作業者が必要になり、特にホースが長い場合は散布時に中央部がへこむこともあるのでホースの中央部を手で持って一定の高さを保持する「中持ち係」が必要になる場合があります。
一度の薬剤投入で散布できる面積は、薬剤の10aあたり処理量によります。例えば、1キロ粒剤の場合は10aあたり1kgの製剤を散布しますので、ホッパに30kgの薬剤を投入すれば3haの面積を散布できます。同様に10aあたりに3kgの薬剤を散布する製剤の場合は、30kgの薬剤投入で1haの面積を散布できます。
(つづく)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日