【コラム・キサクな老話】蝿と蚊の季節2014年5月13日
待っていた春爛漫の季節は、雪に明け暮れるみちのくでは、押し詰った春耕が控えている。その年にもよるが、梅が咲きやがて桜になるときと、同時に満開になる年もあるが、今年は梅から桜である。冬場で憂鬱なのは、労働の時間が無く、身体がなまって調子が狂うことである。降雪で雪かきがあればいくらか救われ、食欲も出てくる。
もうすぐお涅槃(ねはん)がきて、お寺に大きな涅槃像の掛け軸が飾られ、お釈迦様の入寂に弟子を始め、動物、鳥類、昆虫等のいきものが悲しみをこらえている。これは地球に必要な生物の総てが描かれているようである。
かつてはそろそろ蝿が出始める時期。牛馬房は住宅の中にあったから大変で、食べ物に集まり、追い切れない状況で、本来は涼を求めて使うはずの「うちわ」も動員され、人にもたかり、特に幼児を好み、追いたてるのが一仕事である。蝿たたきや蝿取り紙、瓶でとる方法もあった。
我が家では瓶で蝿をとり、池には大きな鱗(うろこ)のドイツ鯉を放していたから、瓶の中の薄めた味噌汁に浮かぶ蝿を池に入れると、争って蝿を一飲みにし、成長が早いものであった。しかし海に近い当地は、海魚を食しており、土臭いとして鯉は食卓に上ることは無かった。成人になり、鯉のあらいや甘煮をご馳走になり、その珍味を知り残念なことをしたものと思い出す。
これは家蝿であるが、外には金蝿が居り、魚の生臭い匂いに敏感で、何処からともなく飛んでたかるものであった。蝿の恐ろしさは、伝染病など媒介することである。
やがて水温、気温も緩んでくると家蚊の大群が発生する。「ミーン」と合図をしてチクリと刺し、お腹を狸腹のように血で膨らまし、逃げる時に痒さに気付き、叩くときには飛んで逃げられるのであった。人は蚊帳で寝るからいいのだが、蚊の集中は家の中の馬房である。しかしあの毛のある厚い馬の皮から血を吸う能力はたいしたものである。そこで毎夕、蚊燻しをかける。藁に火をつけて青草を掛けて、煙を出して作業着などで外に追い払うのであった。
加えて外はブヨを始め、空間を飛び交う昆虫がウヨウヨし、家畜の往診でオートバイで走ると、口や目にまで入り込むほどであった。ツバメなどは天国であったに違いないが、今は餌探しで困難し可愛そうだが、人間にとっては住みよくなったものだ。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】とうもろこしにアワノメイガが多誘殺 早めの防除を 北海道2025年7月1日
-
米の高騰一転、産地に懸念 政府が「暴落」の引き金? 小泉劇場に不安広がる2025年7月1日
-
JAcom、インスタ・YouTube・TikTokで農協の魅力を楽しく、かわいく発信中!2025年7月1日
-
米価 5週連続で低下 5kg3801円 農水省調査2025年7月1日
-
【人事異動】農水省(7月1日、6月30日付)2025年7月1日
-
米の増産を 石破総理が強調 米の関係閣僚会議2025年7月1日
-
農水省 熱中症対策を強化 大塚製薬と連携し、コメリのデジタルサイネージで啓発2025年7月1日
-
作況指数公表廃止よりもコメ需給全体の見直しが必要【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月1日
-
【JA人事】JA岡山(岡山県)新会長に三宅雅之氏(6月27日)2025年7月1日
-
【JA人事】JAセレサ川崎(神奈川県)梶稔組合長を再任(6月24日)2025年7月1日
-
【JA人事】JA伊勢(三重県) 新組合長に酒徳雅明氏(6月25日)2025年7月1日
-
米穀の「航空輸送」ANAと実証試験 遠隔地への迅速な輸送体制構築を検証 JA全農2025年7月1日
-
JA全農「国産大豆商品発見コンテスト」開催 国産大豆を見つけて新商品をゲット2025年7月1日
-
こども園で食育活動 JA熊本経済連2025年7月1日
-
産地直送通販サイト「JAタウン」新規会員登録キャンペーン実施2025年7月1日
-
7月の飲食料品値上げ2105品目 前年比5倍 価格改定動向調査 帝国データバンク2025年7月1日
-
買い物困難地域を支える移動販売車「EV元気カー」宮崎県内で運用開始 グリーンコープ2025年7月1日
-
コイン精米機が農業食料工学会「2025年度開発賞」を受賞 井関農機2025年7月1日
-
「大きなおむすび 僕の梅おかか」大谷翔平選手パッケージで発売 ファミリーマート2025年7月1日
-
北海道産の生乳使用「Café au Laitカフェオレ」新発売 北海道乳業2025年7月1日