【コラム・目明き千人】財界へ河岸を替えた農水省2015年4月23日
「農協改革」のスジ書きを作り、安倍総理にレクをして法案を通した仕掛け人は農水省である。改革の背景は安倍内閣の政策に反対をする勢力をつぶす、日本を農産物のマーケットと狙っている国への配慮、農地の不動産化などがあげられる。更に、第三の矢である成長政策の岩盤規制にドリルで穴をあけるタイミングに合わせてのマスコミ対策も抜かりがない。有識者会議の人選、答申のタイミングも手慣れたものだ。
1961年の「農業基本法」から1999年には「新農業基本法・食料、農業、農村 基本計画」へと政策を転換して“食料”を前に持ってきて、農を中心とした“国民生活への総合政策”とした。2011年には「6次産業化法」という経済学ではお目にかかれない”6次産業“という語呂合わせの産業を持ってきて農業の現場から2次、3次産業へと軸足を移している。
農協組織はもう御用済みで、むしろ邪魔になってきた。これからは財界とタッグマッチで所管の第一次産業である農・漁・林を原料とした加工、サービスの分野に拡大をして、輸出、輸入にも利権を求める方策である。
あまり目立たないが、今回の「農協改革」と抱き合わせで「農業委員会制度」の改革を行い、農業への株式会社の参入の条件を緩和して農地の所有が出来るようにする抜け道が出来た。
今回の改定では、準組合員の利用制限、信用、共済事業の分離の件は先送りとなった。
金融事業に手を付けると住専問題でようやく決着をつけた所管を巡っての省庁間の衝突が起きるのを避けたのであろう。最大の懸案事項は5ヵ年をかけて用意周到に進める。
組合員である農家は農水省のこれまでの政策、今回の改革がどのようなものであるか、口にこそ出さないが百も承知である。冷やかに見て現場は動じない。「お上の言うことの逆をやれば間違いがない」が昔からの農家の知恵である。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日