【地域おこし協力隊にひとこと】住み続けられるかが鍵2015年9月24日
地方再生の取り組みとして、地域おこし協力隊という総務省の制度がある。
「地域外の人を受け入れ、新たな担い手として地域力の維持・強化を図る」。農業のお手伝いもよい。佐渡島に派遣されているKさんの活動講演を東京で聞いた。
Kさんは、トキの生態に興味があり、何時か自然豊かな島に住んでみたいと思っていた。東京のPR会社を辞めて、地域おこし協力隊に応募したという。担当地域は、佐渡島の中でも過疎地、絶滅危惧される集落ばかりの外海府・内海府の9つの集落である。
任期は最長3年、身分・給料は市役所臨時職員の手当があり、住宅などの斡旋もうける。現在、佐渡に派遣された地域おこし協力隊員は16名(男7女9)20代が多いという、Kさんは最年長で40代半ば。佐渡島は東京23区の1・5倍の広さがあるといわれ、一人で2つの区を担当しているような広い範囲である。この地域は農業と漁業が主な産業。ビッグイベントは6月のカンゾウ祭りと12月の寒ブリ祭りである。観光客は知っていて、時期がくれば、賑わう。しかし、迎える地域には、人は居ない、金がない、特に地域リーダーと言われる人に疲弊感がある。何のために、だれのために地域振興? 祭りに来た人々は地域に留まる時間は少なく、水揚げされた寒ブリは安く買われて、車ですぐ帰ってゆく。集落住民にお金が落ちるシステムになっていない。
国指定 重要無形民俗文化財 佐渡の車田植(くるまだうえ)が有名だが、市や集落が実施しているのではない、1軒の農家の伝統儀式である。当主は独身。本人が作業できなくなった時どうするのか。小学校は生徒が12人、中学校は5人、そして幼稚園には園児3人しかいない。赤ん坊はゼロ。江戸時代から明治、大正、昭和、平成と住み続けられた集落である。眼前には美しい山、海、田圃があり、米、山菜、魚が豊富に捕れる。自給生活が可能、道路も舗装されたのに、島の人口は減りつづける。この状況に、地域おこし協力隊の一人に結婚が決まって佐渡島に留まることになったと報告され、80名の聴衆に拍手がわいた。
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