【地域の福祉にひとこと】ふつうに暮らす幸せ追求2016年2月15日
日本の縮図が佐渡島であると聞かされてきた。人口は日本人口の2000分の1になる、高齢者人口に限定すると佐渡島は1400分の1になる。それだけ高齢者が多く住んでいる。日本平均の26.5%に対し、佐渡島は39.5%が65歳以上という。平成27年9月基本台帳では佐渡島の人口5万8千8百人のうち、2万3千2百人が高齢者住民の実数である。世帯割合は62.5%。全国平均42.6%に対してすこぶる高い。高齢者だけの世帯も49.6%、全国平均は24.2%である。
80歳になっても田圃に出て農作業する、海に出て烏賊やさざえを取っている漁師もいる。高齢者が島で自立するには車の運転ができないと生きていけない。男性に元気老人の多いことが救い。GNP(G=元気で、N=長生き、P=ぴんぴんころり)と呼ぶらしい。しかし、福祉の面からみると、全国の水準を維持するには相当な努力が必要と市役所の高齢福祉課長は嘆く。「地域包括ケアシステム」佐渡版を推進中。要支援・介護認定者は5234人いる。全国平均なら4千人のはずだがそれを超える。国はおおむね30分以内に必要なサービスが提供される生活圏を想定しているが、島内は平野部、海辺、山間地帯があり、東京23区の1.4倍の面積が福祉の緊急サービスの遂行に困難が伴う。医療サービスでは、マンパワーの不足がある。若者は都会へ出てしまう。
成人3人が一人の高齢者を背負う「騎馬戦型」が現状の日本の状態、佐渡は成人1人が高齢者一人を背負う「肩車型」に近い。年金、医療、介護行政の遂行には予算が常に不足。お金の代わりに地域ぐるみ協同で支えあう福祉の島が求められる。福祉とは「ふつうにくらすしあわせ」をいうそうだ。
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米、稲WCSへの十分な支援を JAグループ2025年10月16日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】本質的議論を急がないと国民の農と食が守れない ~農や地域の「集約化」は将来推計の前提を履き違えた暴論 ~生産者と消費者の歩み寄りでは解決しないギャップを埋めるのこそが政策2025年10月16日
-
死亡野鳥の陰性を確認 高病原性鳥インフル2025年10月16日
-
戦前戦後の髪型の変化と床屋、パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第360回2025年10月16日
-
「国消国産の日」にマルシェ開催 全国各地の旬の農産物・加工品が集合 JA共済連2025年10月16日
-
静岡のメロンや三ヶ日みかんなど約170点以上が「お客様送料負担なし」JAタウン2025年10月16日
-
高齢者の安全運転診断車「きずな号」を改訂 最新シミュレーター搭載、コースも充実 JA共済連2025年10月16日
-
安心を形にした体験設計が評価 「JA共済アプリ」が「グッドデザイン賞」受賞 JA共済連2025年10月16日
-
東京都産一級農畜産物の品評会「第54回東京都農業祭」開催 JA全中2025年10月16日
-
JA協同サービスと地域の脱炭素に向けた業務提携契約を締結 三ッ輪ホールディングス2025年10月16日
-
稲わらを石灰処理後に高密度化 CaPPAプロセスを開発 農研機構2025年10月16日
-
ふるさと納税でこども食堂に特産品を届ける「こどもふるさと便」 寄付の使いみちに思いを反映 ネッスー2025年10月16日
-
「NIPPON FOOD SHIFT FES.」に出展へ 井関農機2025年10月16日
-
マルトモが愛媛大学との共同研究結果を学会発表 鰹節がラット脳のSIRT1遺伝子を増加2025年10月16日
-
マックスの誘引結束機「テープナー」用『生分解テープ』がグッドデザイン賞を受賞2025年10月16日
-
北海道芽室町・尾藤農産の雪室熟成じゃがいも「冬熟」グッドデザイン賞受賞2025年10月16日
-
夏イチゴ・花のポット栽培に新たな選択肢「ココカラ」Yタイプ2種を新発売2025年10月16日
-
パルシステムの奨学金制度「2025年度グッドデザイン賞」を受賞2025年10月16日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日
-
鳥インフル デンマークからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日