【お盆に帰省にひとこと】20年後故郷の成人式は?2016年9月13日
お盆に帰省した。ラッシュを想定し新幹線の座席を予約した、完全満席。乗車率150%か、大勢の人が通路に立っている。昭和の時代は上野―新潟間は特急で6時間かかったことを思い出すと2時間で清水トンネルを抜けて日本列島を東西に横切るので世の中の進み具合に感心する。
新潟から船で佐渡島へ向かう。お盆の時期だからフェリー船は満席。2等席は畳の席と椅子席がある。畳の席では寝っ転がらないで下さいと場所取りは嫌われる。災害時の避難所みたいに、家族や友人たちで固まっている。観光客というより島を出て都会で働いている帰省客が多い。お盆の時期だけの現象だろう。
実家には80代の兄夫婦が住んでいる。数年前から水田農地はJA経由で他人に耕作を依頼している。農家の跡継ぎ直系の子供たちは新潟や東京で働いている。10年位前までは彼らは孫を連れてお盆に帰省していたが、高校や大学生になると孫のふる里でないからお盆といえども実家には来なくなった。
昭和の時代、8月13日の夕方はお風呂に入り、新しい浴衣に着かえて、下駄をはき、家族5~6人まとまって仏花を抱えてそぞろ歩きで仏さまをお迎えにお寺へ行ったものだ。歩いて15分位で近所のお墓参りの家族と出会って挨拶を交わした。今は車を使う。近所の人達も車である。お寺の周りは沢山の車が止まっている。車社会では濃密な田舎の交流は期待できなくなっている。
佐渡市役所はお盆の帰省を利用して成人式をする。島を出た20歳の若者達はお盆に帰省するからだ。599人が新成人、式に参加したのは475人。80%の参加は良い傾向と市の担当者がいう。選挙権は今年から18歳に早まったから20歳は飲酒・喫煙が許されるぐらいか。若さの熱気は感ずるも今年の成人は真面目で大人しい感じ。島に残る新成人は1割の60人程。しかし、昨年島で生まれた新生児は300人という。健康に成長しても20年後の成人は半減する。島の人口減少を食い止める地方の創生は難題だ。
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