農協は常に組合員の"伴走者"2017年2月16日
宮城県には、14の農協があります。
宮城県農協中央会主催の14人の専務が集まる会議で、「昨今、農協改革が声高に叫ばれており、みどりの農協でも創造的自己改革を進めている所です。現場の農業担い手は、農業法人化が進み、管内には58の農業法人があり、高度なニーズが求められており、農業法人と強固なパートナーシップを築くためにも、MBA(経営学修士)を取得し、農協の支援・サービスを充実していく事を、中央会と協働して取り組んで参りたい。」と発言しました。
ところが、その後、東京出張の折、仙台駅で遠藤功氏の著書「結論を言おう、日本人にMBAはいらない」という題が目に飛び込んできました。かなりショックでした。
東北新幹線車中にて読み進める中で、大変感動した文章がありましたので、ご紹介します。
「仕事は多種多様だ。企業の屋台骨はオペレーション、要は現場だ。
日々のルーチン業務を確実・効率的に遂行することによって、企業は価値を創造している。一見地味だが、このオペレーションこそが人を鍛え、力をつけるための絶好の場だ。
反復のようにみえるルーチン業務は日々変化し、毎日大小さまざまな問題が発生する。そのなかで問題をみつけ、知恵を絞り、創意工夫しながら、問題を解決する術を身につける。仕事の質にこだわりのめり込んでいく地道な努力こそがビジネスパーソンとして力をつける絶好の場だ。『自分は現場でつまらない仕事しかさせてもらっていない』と腐る前に、『自分は目の前の仕事に本気でのめり込んでいるだろうか』と自問自答する姿勢が大事だ。
仕事が出来る人は、どんな仕事も自分で面白く工夫をし、楽しむことができる。一方、仕事ができない人は仕事を面白くしようとする努力をしていない。仕事に面白い、面白くないなどない。面白くできる人と面白くできない人がいるだけだ。」
本当にその通りだと共感しました。そして仕事ができて、面白くできる人は、一人で黙々と仕事をせず、周りとコミュニケーションを取り、協力しながら仕事をしている人と感じました。
※ ※ ※
私は、職場で必ず声をかけます。
廊下ですれ違う時も「ご苦労さまです。」と...。
声がけは職員が育つための重要な役割になると感じている事から、いろんな場面で、職員に「声がけは肥がけ」と話しています。
今、当農協は、職員同士の会話、話し合いが活気を帯びているように感じます。
そして、その会話は雑談でもOKです。お互いを知る事は、信頼を生み、仕事がスムーズにいきます。仕事における、「報告・連絡・相談」ホウレンソウは、組織では、当たり前ですが、その当たり前の事を真剣にすることが大事です。
相手の目を見て、しっかりと話す事です。
総合農協においては、営農・経済・金融・共済・総務と様々な仕事がありますが、組合員にとって、とりわけ一人の組合員にとっては、農協を一つとして見ています。あちらこちらにたらい回しにすることはもってのほかです。
総合農協の職員は縦割りとさまざまな部署に横串しをさすイメージでの横糸機能の両方をバランス良く持つことが、これからは特に求められると思っています。他の部署の仕事には全然関心を示さずに、縦割りとして自分の仕事だけをやっていては、組合員への幅広いサービスは提供できません。
「声がけは肥がけ」を徹底し、会話、話し合いを他の部署とも本気でやることで、知識が幅広くなります。
自分が何のために、仕事をするのか?
総合農協の組織人として、職員同士が真剣に関り合い、力をつけていってほしいと考えています。
※ ※ ※
知識を使って行動する事で、知識を知恵とし、体験から学ぶ事で、体験を経験として、職員のスキルが向上していきます。
農協の創造的自己改革は、現場にいる役職員一人ひとりの仕事のやり方を変えることから始まります。
一人ひとりの意識改革・自己啓発が大切です。
経営者は、職員の仕事のしやすい環境をいかに生み出していくかが役割です。目まぐるしく変わる環境変化に対応できるように農協の仕組み・システム・制度も思い切って、本気で変える必要性を実感しています。
「平等から公平へ」
農協内部の評価、そして組合員への対応も変革しなければなりません。
農協は組合員のために存在しますが、それ以上に組合員と共にあると考えます。
農協は組合員の"伴走者"であり続けなければならないといつも肝に銘じています。
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